モンテッソーリ教師が里親になって気づいた、たった1つの大切なこと ~愛着関係の築き直し~

愛着関係さえしっかり作れていれば、それ以外のことはどうにかなる。モンテッソーリ教師でもある筆者の気づきに至った経緯やそこから派生する学びを綴っていきます。

里親である私を自己観察してみる:失われた体験① 新生児期の愛着形成

ここからは、子どもと私たち里親の観察に入ります。
モンテッソーリの手法にのっとり、あくまでも客観的な観察を目指しますが、時に主観が入り混じってしまうことがあるかもしれません。そこはご容赦ください。

まず、観察に必要な知識をまとめてみます。主に愛着形成についてです。


新生児の時期に愛着形成に必要なことには、以下のような要素があります。

1. 一貫したケア

新生児は安心感を得るために、一貫したケアが重要です。
お世話をする人が変わらず、同じ人が基本的に対応することで、赤ちゃんは安心しやすくなります。

2. スキンシップ

肌と肌の触れ合いは愛着形成にとても重要です。
抱っこしたり、授乳したりすることで、赤ちゃんは大人のぬくもりや匂いを感じ、安心感を得ます。

3. 迅速な対応

赤ちゃんが泣いたり、何かを求めているときに、迅速に対応することが大切です。
これにより、赤ちゃんは「この世界はいいところだ」という世界への基本的信頼感を持つようになります。

4. 視線の交流

赤ちゃんとの目と目を合わせることは、感情の交流を促進します。
目を合わせて話しかけることで、赤ちゃんは大人の愛情を感じ取ります。

5. 穏やかな環境

新生児期は外界の刺激に敏感です。
穏やかで落ち着いた環境を提供することで、赤ちゃんは安心して過ごせるようになります。

6. 感情の表現

大人が笑顔や優しい声で話しかけることで、赤ちゃんは感情のやり取りを学びます。
大人の表情や声のトーンは、赤ちゃんにとって安心感の源になります。

7. 安全な生活環境

安全で清潔な生活環境を提供することも、愛着形成には欠かせません。赤ちゃんが安心して過ごせる環境は、信頼感の基盤となります。

これらの要素を意識してケアを行うことで、新生児の愛着形成がスムーズに進みます。



ここから客観的観察に入ります。

上記のような愛着形成は、主に乳児院の担当職員さんが中心となり、それはそれは気を配って、丁寧にしてくださいました。
つまり、里子は担当職員さんとは愛着形成が比較的スムーズにできていたのです。
けれどもその相手は、私ではない。これは揺るがない事実です。

主観を交えて説明すると、このことが悲しいわけではありません。
ただ事実として、最初の愛着関係を築いたのは私ではなかったということです。

次は乳児期の愛着形成についてまとめます。