モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

Q. 2歳9ヶ月 寝かしつけがうまくいきません

今回のご相談は、ウェブ上ではなく、
実際にお会いした方から口頭でご相談頂いたものです。
なのでご相談の文章は、会話を思い出しながら
こちらで文字起こししたものになります。


【ご相談】

2歳9ヶ月の娘の寝かしつけがうまくいきません。

元々赤ちゃんの時から、
長時間抱っこでないと寝ない子でした。

今は抱っここそしないものの、
寝かしつけに入ってから
「寝れない〜遊びたい〜」
となってしまい、
そこから1〜2時間かかり、
日をまたいてしまうことも多いです。
先日は夜中の2時になってしまいました。
当然、親の私も寝不足です。


私(ご相談者様)も保育士なので
思いつくこと、やれることはやってみたように思います。


でも最近、某DVDを見ていたときに、
ストーリーが難しいのか
途中で寝てしまうということがあり
それ以降は寝れないときに「DVD見たい」となり
私も見せない方がいいとは分かりつつも
(でも見せた方が寝るのか…?)
と揺れてしまいます。


たぶんいろいろやり過ぎて
自分も訳が分からなくなっています。


年末の仕事復帰に向けて
改めて、どのように生活リズムを整えていけばいいでしょうか。




【回答】
※この回答も、私一人の答えではなく
その場にいた複数人の意見を
モンテッソーリの見解を軸にまとめたものです。


ご相談者様の話を聞いていて
ひとつだけ、していないことがあると感じました。


それは、
寝かしつけようと頑張らなくていい」ことです。


禅問答のようになってしまいますが
本来、子どもはひとりで寝る力を持っている
というのがモンテッソーリの考え方で
その力を、大人がどれだけ信じられるかによって
その後の習慣が変わってくるのだと感じます。


もちろん、性格や体質、発達によって
寝つきの悪い傾向があったり
ひとりで眠れないという時期がないとはいいません。


ですが
生まれたときから環境を設定してあげることによって
子どもの自発的な眠りを促すことは可能
です。



具体的には、生まれたときから

①寝る場所 
②授乳(食事)の場所 
③活動(遊び)の場所 
④身の回りの世話をする場所(着替え、トイレなど)

がしっかり分かれていると
赤ちゃんは生まれ持った秩序感で

「この場所に来たら
こういうことをするのか」

ということが徐々に感じられるようになってきます。


そうなると
例えば寝る場所に連れて行ったときに
「あぁ、今から寝るんだな」
という体制に、自分から入りやすくなるのです。



また、眠れなくて泣いている子どもは
抱っこしないと眠れないんじゃないか、
もしくは、泣いたときにしっかりと抱っこして対応しないと
愛着関係がしっかりとできないんじゃないか、
子どもの自己信頼感が育たないんじゃないかと
不安になる方も多いのですが
(実は私もそう思っていた時期があるのですが)


0-3コースで子どもの育ちを学び、感じたことは
生まれてから最初の8週間を
母子ともに密に過ごせたなら、
そこで、基本的信頼感が育っている
ので
その後は、少し手を抜いても大丈夫なんだな
ということです。


手を抜くというと語弊があるかもしれませんが
例えば、毎回毎回抱っこしてゆらゆらして
やっとの思いで寝かしつけなくても、

泣いている赤ちゃんの横に添い寝して

「大丈夫だよ、ママはあなたのそばにいるよ
 あなたは自分で眠れる力があるから、大丈夫だよ」

とトントンしてあげるだけでもいいのです。


時間はかかるかもしれませんが
徐々に泣く時間が短くなっていって
抱っこでなくても眠れるようになると思います。


ただ、これは
自分で眠る力を信じる気持ちが強くないと
目の前で泣いている赤ちゃんに対して
(こんなに泣いてるのに抱っこしてあげないなんて…かわいそう)
と流されてしまうかもしれません。


ここで、「子どもの寝る力を信じる」ことが
大人側に必要
になってきます。


これも誤解のないように上手に伝えたいのですが
ニワトリが先か卵が先か的な話で
もしかしたら、
必死で抱っこしてやっと寝かしつける日々を繰り返す中で
子どもの本来持つ「自分で眠る力」が隠れてしまったのかもしれません。


もちろん、泣いているから抱っこしてあげたい
という親御さんの気持ちを否定するつもりはありません。
でも、無理をする必要はない
ということだけはお伝えしておきたいのです。



ご相談者様の2歳9か月のお子さんも
眠る空間を作ってそこに連れていき
そのあと大人が構わなければ、
最初は時間がかかるかもしれませんが
徐々に、一人で眠りにつくことができると思います。


おそらく、お母さまは
「寝れないのにゴロゴロさせてるのもかわいそうかな…」
という思いがどこかにあるのかなと思いますが


吸収する時期の子どもは、
その大人の気持ちすらも無意識に察する(笑)かのように
「寝れない~遊びたい~」
とそこに訴えてきます。


それを無視するのは可哀想…
とネガティブに感じなくても大丈夫です。


「もうお母さんも眠いから寝るね、
○○ちゃんもゆっくり寝て、明日また楽しく遊ぼうね」


と前向きに、今は眠るんだよということを伝えてあげて下さい。



早く寝られるようになったら
次の日、早く起きられるようになってきます。


そうやって少しずつでいいので
生活リズムに関しては大人がある程度主体的になって
「今はこれをするんだよ」
ということを前向きに伝え続けて下さい



もうひとつ、気になるのが
午睡の後の過ごし方です。


単純に思いつくのが
体力>>>運動量
で、疲れていないから眠れない
のではないか
ということです。


もし思い当たる節があるなら
午睡のあと、少しでも多く身体を動かせるように
工夫してみて下さい。


公園に行って、
砂場遊びではなく追いかけっこに誘ったり
お部屋の雑巾がけを一緒にしたり

何か少しでも
全身を動かす機会を増やしてもらえればと思います。


また長くなりましたのでまとめます。(いつもだな…笑)


・子どもは、自分で眠る力を本来持っている

・生まれてから最初の8週間、密に過ごしていたなら
 そこで基本的信頼感が育っているので
 その後は少し手を抜いてもOK

・「あなたは自分で眠れるんだよ」
 「そばにいるから大丈夫だよ」
ということを伝え続けて、子どもの力を信じる


・生まれたときから寝る場所が固定されていると、
 子どもの秩序感によって
「ここに来たら寝るんだな」と感じられるようになり
 自分で寝る力をサポートできる

・「寝れない、遊びたい」という訴えにも
「今は寝る時間だよ、いっぱい寝て明日元気に遊ぼうね」
とポジティブに伝え続けて、
大人が生活リズムを整えてあげる

・寝る前の運動量が体力に対して足りないようなら
雑巾がけや、身体全体を使う遊びに誘ってみる



以上です!
これらのアドバイス後の経過について
ご報告いただきましたので
次の記事でお伝えします。
(さぁいつになるのかw)