モンテッソーリ教師が里親になって気づいた、たった1つの大切なこと ~愛着関係の築き直し~

愛着関係さえしっかり作れていれば、それ以外のことはどうにかなる。モンテッソーリ教師でもある筆者の気づきに至った経緯やそこから派生する学びを綴っていきます。

里親である私を自己観察:失われた体験③ トドラー期の愛着形成

引き続き、自己観察に必要な知識のまとめです。

トドラー期(1歳から3歳頃)は、乳児期に続いて愛着形成が進行し、
子どもの社会的・感情的な発達において重要な時期です。
この時期には、子どもが自立心を育みながらも、
親や養育者との愛着を深めるために、以下のポイントが重要となります。

1. 一貫したルールと境界(自由と制限)

トドラーは自立し始める時期ですが、
同時に一貫したルールや境界が必要です。
これにより、子どもは安全で予測可能な環境を感じ、
自分の行動が理解され、受け入れられていると感じます。

2. 選択の提供

トドラー期の子どもは、自分で選択することを好みます。
親や養育者が小さな選択肢を提供することで、子どもは自立心を育みつつ、親からのサポートを感じることができます。
例えば「どちらの靴を履いてお外に行く?」「パンとごはん、どっちを食べる?」など。
選択した結果を受け入れる体験まで含めて、初めて自分の選択に責任を持つことができます。

3. 肯定的な強化

良い行動や努力を認め、褒めることは、トドラーの自尊心を育て、親との愛着を強化します。
肯定的な強化は、子どもが自分の行動に対してポジティブなフィードバックを得ることで、
良い行動を繰り返す動機付けとなります。

4. 感情の理解と表現

トドラー期の子どもは、自分の感情を理解し、適切に表現することを学びます。
親や養育者が子どもの感情を認識し、言葉で表現する手助けをすることで、
子どもは自分の感情に対する理解を深めます。

5. 共に過ごす時間

親や養育者が子どもと一緒に遊んだり、本を読んだりする時間は、
愛着形成において非常に重要です。
これにより、子どもは親の愛情を感じ、安心感を得ます。

6. 一貫した反応

トドラー期の子どもは、親の一貫した反応を必要とします。
特に、不安や恐怖を感じた時に親が一貫して安心感を提供することで、
子どもは信頼関係を深めます。

7. ロールモデルになる

親や養育者が適切な行動や感情の表現を示すことで、
子どもはそれを観察し、模倣します。
親が自分の感情を適切に表現し、他者との関係を築く方法を示すことで、
子どもは健全な愛着形成を学びます。

8. 遊びと探求

トドラー期の子どもは、遊びを通じて世界を探求します。
親が見守りながら自由に遊ばせることで、子どもは自信を持ち、新しい経験を通じて成長します。

これらのポイントを意識して育児を行うことで、トドラー期の子どもの愛着形成が促進され、健全な発達をサポートすることができます。



以上、新生児~トドラー期の愛着形成について綴りました。
なぜこれを改めて綴ったかといいますと、
「私たち里親子がしてきていない体験を、これからどのように取り戻すか」
を再認識するためです。

もっと詳しく言えば、
里親である私と夫がしていない体験であり
里子である子どもは別の人と体験してきたこと。
そこをすり合わせて、私たち里親と子どもとの間に新しい愛着関係を築く必要があるのです。

子どもは今、幼児期にいて、もうすぐ学童期に突入します。
この微妙な時期にもう一度愛着関係を作り直す。
労力も知恵もいります。
でも気づいた今、それができるように思えています。