モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

Q. おうちの環境の整え方 2.トイレ

前回の続きです。

montessorilover.hatenadiary.jp

PCの調子が悪いので、場所毎に記事を書きますね。細切れですみません。


★トイレ

〈危険回避(引き算)〉

トイレの蓋は閉めておく。
(開けておくと、1歳台の子がトイレの水で遊ぶ可能性があるため)
親御さんの目が届かないときは
トイレのドアも閉めておく。


トイレ掃除用洗剤やブラシなど
不衛生なもの・危ないものは
できるだけ届かないところへ。
(お子さんがトイレ掃除をしている場合は
 この限りではありません。
 その代わり、重曹クエン酸など、
 万が一触ったり口に入ってしまったりしても
 比較的安全な洗剤を使用する方がベターです)



トイレットペーパーはロール状のままだと
1歳の子どもが引き出して遊ぶ可能性大なので
(そしてそれを怒ってしまう可能性も大なので)
その時期が過ぎるまではしまっておき、

ちょっと面倒ですが
ミシン目で切り離したペーパーを折りたたんで
数枚ケースに入れて置いておく、というやり方もあります。

(絶対これがいいというわけではなく、一つの方法です)



〈必要なもの(足し算)〉

・踏み台

・子ども用便座


特に上のお子さんが大人用トイレで用を足すために必要かと思われます。
下の子もマネして座るかもしれません。それはそれで下のお子さんのトイレラーニングになるのでむしろOK!


・おまる

下のお子さんのトイレラーニング用に。

子どもが腰掛けやすく、
足がしっかり地面につくものなら何でもOK!


・トイレの外に…オムツ、ズボンなどの着替え+子ども用椅子


モンテッソーリの発想は
「できそうなことはどんどん子どもに任せる」

です。

トイレの前にズボンやオムツを脱ぐことも、
小さなイスと、
着替えを数枚、ケースや棚に置いておいてあげると
自分でできるように援助できます。

ちなみに、モンテッソーリの考え方では
歩けるようになって
両手が自由に使えるようになったら
自分で着脱をするための身体の条件は整っている

という子どもの見方をするので
1歳だからまだ早い、ということはありません。

むしろ子どもを見ていると
着替えなどの自分のことをいちばんやりたがるのは
1歳代です。
(もしそうでなければ、その前に大人が手伝いすぎていて
 子どものやる気の芽を摘んでしまった可能性大です)


次回はリビングです。

(こんなかわいい↓トイレ型おまるを見つけましたので参考までにご紹介★)
 あと前に紹介した椅子とトイレ用踏み台も併せて)




Q. おうちの環境の整え方 1.洗面所

【ご質問】
今、3才9ヶ月と1歳1ヶ月の男の子たちのママをしております。春までには仕事復帰予定です。

リビング、台所、洗面所、トイレの
基本的な環境の整えかたとして
何がどうあるといいと思われているか
教えてくださいませんか。

例えば、
机と椅子と、その側に円形の小さいマット、大きな本棚など、
押さえるべきポイントや
具体的イメージを教えて頂けますと嬉しいです。

環境を整えようと思っているのですが、
家全体での整えかたの参考になるものが見つからず迷走しております。



【回答】

久々のご質問、ありがとうございます^^

と同時に、
難問キター(汗) 
と感じたのが正直なところです。


どこが難しいかと言いますと、

やりたいこと・やりたくないことがはっきりしてくる意識的吸収期の3歳以上のお子さん
それを何でもマネしたい無意識的吸収期の3歳未満のお子さん
という、異なる発達段階のお子さんたちが同じ空間にいる

という点です。



兄弟のいるおうちの環境設定は少し難しいのです^^;


ただ、おふたりとも
人生の中で6歳までしか見られない
「吸収する時期」「敏感期」
がある特有の時期

という点では一致していますので
そこをうまく利用して、
自立心を育みつつ、
平和に共存できる環境を探っていきたいと思います。


まず、家庭環境の話をする上で
どの場所、どのご家庭、どのお子さんにとっても
共通することを先にお伝えしておきますと、



1. 子どもにとっての危険を回避!安全対策は万全に
2. その中で子どもが自由に動ける


ことが大切になってきます。


1の安全対策は言わずもがなですが、
おうちの環境というのは
元々は私たち大人が使いやすいように設計されているので
子ども目線で危ない、さわられたくないものを取り除く
危ないものが置いてある場所をロックする・隠す
などの引き算的な対策が必要になってきます。


もともと子どものために設計された保育園や子どものいえと異なり
おうちで子どもの環境を整えるためには
この引き算が優先されます。

何を当たり前のことを…と思われるかもしれませんが
実はとても大切なんです。


安全が確保された環境の中でしか
子どもの最大限の自由は保障されないから。


子どもが最大限に自由に動く中で
やりたい動きを繰り返し、獲得して
自分で自分のことをしたり
それが人の役に立つことにつながったり
というのが子どもの自立の道筋です。


そのために、何が必要かを考えていきます。
ここで初めて「足し算」の発想が出てきます。


これらのことをふまえた上で
場所ごとに見ていきます。


★洗面所

〈危険回避(引き算)〉

洗剤類、かみそり、化粧品など、
子どもが触ったり口に入れたりしたら危ないものは
手に届かないところに。
または収納場所をロックする。

電動シェーバーや歯ブラシのコードも、
子どもが引っ張る可能性があるので手の届かないところへ。
プラグも使用しないときはカバーしておく。
(特に1歳代のお子さんは、穴に物を詰める習性があります)



〈必要なもの(足し算)〉

・踏み台(スツール)

子どもが自分で手や顔を洗うためには
子どもの手が届くことが最重要。

安定して倒れないスツールを常設しておけば
子どもが「手を洗いたい」「顔を洗いたい」と思ったときにいつでも
自分ですることができます。

このスツール↓だと
子どもが大きくなってからも、インテリアとして活用できそうなのでオススメ★


取り急ぎ今回はここまで。 続きます!

【お返事】4歳半 急に不安定になり荒れています

油断するとすぐ空くこのブログですが(苦笑)
以前お悩みをご相談いただき、
その回答後の経過をコメントでご報告頂きましたので
匿名でシェアさせて頂きます。


********************


タイトルの件でお世話になりました者です。
大変遅くなりましたが、お礼とご報告を兼ねてコメントさせて頂きます。
簡潔に、と思ったのですがなかなかまとまらず、長文お許しください。


まず春休み中は、家庭でできることとしてアドバイス頂いた、

・甘えを受け入れること
・「あなたはそのままでいいんだよ。
  何ができてもできなくても丸ごと大好き」と伝えること

この二点を特に意識して接し、
「嫌だったことでも、どんなことでもお話していいよ」
と息子に伝えました。


すると 〝ママはどんな自分でも受け入れてくれる存在〟だと思えたのか?
最初は「本当に何でもお話していいの?悲しかったことでも?」
と何度も私に確認し、
数十分かかってやっと話し始めるという感じでしたが、
ぽつりぽつりと本音を話してくれるようになりました。


「〇〇くんのお道具、間違えて使っちゃった」
といった自分の失敗から
「〇〇ちゃんが、真似しないでよ!って怒ったの。
 真似ってしちゃいけないの?」
「〇〇くんに〝アイツ〟って言われて嫌だった」
「〇〇ちゃんに叩かれた」
といったお友達に言われて/されて傷ついたこと。


その殆どが数ヶ月も前のことで、時には泣き出すこともありました。
よくお話してくれる子ではあったのですが、
これまで息子にとって私は、
良いことは話せても、
悪いことは話せない母親だったんだなと気づき、
ひどく反省しました。


それと同時に、息子の口から出てくるのは全て幼稚園での出来事。
嫌がっているのはこどものいえのはずなのに?


この辺りから、本当の原因は幼稚園にあるのかもと思い始めました。


私が
「どうして幼稚園はいいのに、こどものいえは行きたくないんだろう」
と呟いた際、
「ママがこどものいえとか習い事は辞められるけど、幼稚園は辞められないって言ったから」
との返答が!


私自身忘れていたのですが、
たしかにその言葉を言った記憶が。
おそらく、こどものいえに行きたくないと言い始める前に
幼稚園に行きたくないという発言があったのだったと思います。
もちろん、こどものいえでの集団活動をつまらなそうにしていたことも事実ではあるのですが。


そして、新学期に入り
「幼稚園やめたい」「年中さんになるのが嫌」
と毎朝号泣。
春休みの後半には落ち着いてきていたかんしゃくも
再び酷くなり(特に日曜の夕方)、
明らかに原因は幼稚園にある様子。


どうやら、年少さんのときの担任の先生
(息子はこの先生を慕っています)が
「年中さんになったら、給食残すのは許されないよー!」
とおっしゃったらしく
年中さん=
給食を全部食べなければ許されない ・怖い先生に変わる
と想像し、元々給食の時間が好きではなかった息子は
強い不安を抱えてしまったのかな、
というところです。


また
「大きくなりたくない」
「お兄さんになりたくない」
と泣くこともあったので、理由を尋ねると
「大きくなったら難しいことをやらなきゃいけないから」
とも言っていました。


息子の通う幼稚園は園舎が二つに分かれており、
年中さんから大きい園舎に移るので、
毎日を過ごす場所が変わることへの不安もあったようです。


現在進級から2ヶ月弱が経ち、
単発的に「幼稚園行きたくない」という日があったり、
(例えば今日はリレーをやるから嫌だ、などという明確な理由があって)
帰ってきたら不機嫌ということもありますが、
だいぶ落ち着いており、ほぼ嫌がらずに登園しています。


実際に年中さんになってみたら、
給食を残すことが許されないなんてことも、
担任の先生が怖いなんてこともなく、
息子の想像していたようなことは起こらず
「〇〇先生嘘ついたね」なんて言っていました。


ご指摘いただいた〝環境が合っていない〟
ということは確かにあると思います。

ただ、 年少さんでは何でも早いもの順だったのが、
年中さんになってからは背の順に並ぶ機会もでてきたり
悲しかったことや嫌だった出来事も
家庭で話してくれるようになったことで、
話し終えたらすっきりとした表情をしていることも多くなり、
うまく発散できるようになってきたのかなぁ、とも感じます。

これは私たち親子にとって、本当に大きな変化であり、
今後の親子関係においても要になると思うので、
モンテッソーリloverさんには感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。

まだ気にかけて見ていく必要はありそうですが、
「最終手段として転園してもいい」
その言葉で心が軽くなりました。


こどものいえに関してですが、
あれからお教室での様子を見させて頂いたり、
先生と積極的に息子の情報を交換したり。
それでもクラスを変更して一ヶ月ほどは
「行きたくない」「ママといたい」
と嫌がっていたので
(しかし、おしごとをしている様子を見ると楽しそう)
もう退会するしかないなぁ、
と思っていた矢先

先生から
「さっきうんちに行きたいと言ってトイレに行きましたよ〜」
と報告が。
(幼稚園では恥ずかしいから、と行きたくても我慢して帰ってきます)


集団活動をしていた頃は
先生に聞かれたことに対してだけ、
蚊の鳴くような声で答えるのが精一杯だったのに、
いつのまにか家族と話す時のようなはっきりとした声で
先生と会話していることにも気づき、
先生を信頼し始めているのかな、と感じました。


モンテッソーリloverさんは同じモンテッソーリ教師として
思うところはおありだろうとは思うのですが、
生徒の保護者である私としては
息子が本来のモンテッソーリの活動ができるようになったということで、
継続するという選択をしました。


現在は通い始めた頃のように生き生きとした表情でおしごとに興じ、
お迎えに行っても帰るのを渋るほどです!


余談ですが、今回の件で
ただ教具を用意するだけでは意味がないことを実感し、
モンテッソーリ教育の奥深さに
益々モンテッソーリ教育を知りたい!という気持ちになりました。

最後になりましたが、
私の不安な気持ちに寄り添って頂き、
またお忙しい中時間を割いて真剣に回答してくださり、
本当にありがとうございました。
これからもブログ楽しみにしています。


*********************


ずっと気にかかっていたので
お子さんの今のご様子をうかがうことができて
まずは安心しています。


と同時に、自分の回答の至らなさに気づき
改めて反省もしております。

直接見たもの、体験したことではないことに対して
甚く否定的なお答えをしてしまったなぁと。
そして「環境が合わないなら変えてしまえばいい」
などと、かなり無責任なこと言ってるなぁと
改めて感じました。
親ってそういうものではないですよね。。。


ご相談者様が私の拙い回答から
ポジティブなヒントを引き出して
お子さんときちんと向き合い、
良好な関係を築こうとしたことが
今の改善された状況に繋がっているのだと思います。
ご相談者様が私よりも圧倒的に大人で
本当に良かったです…苦笑


ご相談者様のお子さんは、きっと優しいのだと思います。
いいことはお母様に話せても
傷ついたことや悲しいこと、怒ったことは
お母さまも同じ気持ちにさせてしまうのではないかと感じて
幼いお子さんなりに、話せなかったのではないかなと、
そう思います。
そういう子どもが園にも数人、お顔が浮かびます。


子どもが安心して何でも話せる環境づくりが
道具や家具などの物の環境を用意することよりも
最優先で大切な事なんだなぁと
改めて気づかされました。
ありがとうございました。


あんまり更新されないにも関わらず
ブログを楽しみにしていて下さり、ありがとうございます。

日々いろんな思いはあるものの、
(最近保育や子育て関係のニュースが多かったので特に)
その思いを整理する時間や語彙が足りない今日この頃ですが
できる範囲で細々と更新していきますね。
これからもどうぞ、よろしくお願い致します。

1歳2ヶ月頃から出てくる子育てのお悩み①子どもがテーブルにのぼります

以前にお返事を書いた方(とそのお子さん)のその後が気になっております。
皆さま、新年度いかがお過ごしでしょうか。

私の方は、
職場の親子モンテッソーリクラスも
夕方の保育も
子どもたちやその親御さんたち、
先生方と楽しく過ごさせて頂いております。


今回は、親子クラスでよく頂く質問を
こちらでもご紹介致します。
(なぜならブログの方にご質問が来ないからw 待ってまーす!www)

親子クラスは1歳半頃までのお子さんとその親御さんを対象としているので
その頃の育児の中で抱く疑問やモヤモヤの
最大公約数 みたいな感じです。



【ご質問】1歳4ヶ月 男の子

家の中で、テーブルやキッチンカウンター(!)にのぼるようになりました。

最初は「だめよ」と言っておろしていたのですが
あまりにも頻繁にのぼるので
私も注意し疲れてしまって、

最近はテーブルの真ん中にいるときは
(落ちないからいいか…)
と放置気味です。
それでもいいのでしょうか。
本当はどういう対応をしたらよいのでしょうか。



【回答】
どんなに小さなお子さんにも
「していいこと、いけないこと、その理由」
を伝えてあげて下さい。

プラス、
「したい動きを存分にできる環境」を
別で用意してあげましょう。



言葉がまだつたない、小さな子どもでも
大人の態度や接し方から、様々なことを吸収し、学んでいます。


ちょっと耳が痛い話になってしまうかもしれませんが、
テーブルにのっているときに
大人が何も言わない、放置しているというのは

「テーブルに乗ってもいいんだよ」
という無言のメッセージを
子どもに送っていることと同じです。

無意識に吸収する時期の子どもはなおさら
そのメッセージをもそのまま受け取り、自己構築の材料にします。


そして、同じ行動をしているのに
言われる時と、言われないときがある
というのは
子どもの判断力を混乱させます。

そして
なんでダメなのか、
これをしたらどうなるのか
ということを自分で考え、
判断するということが難しくなります。


「テーブルには登らない」
という、人間としてのルールを
一貫して伝え続けてあげるのが
大人の役割の1つ
です。


子どもが小さいから、まだ分からないから
ではなく、
まだ分からないからこそ

「テーブルはご飯を食べるところよ、登らないよ」
「危ないから登らないよ
 あなたが痛い思いをするんだよ
 それは私もいやだよ」

ということを、愛情をもって繰り返し伝え続けてあげて下さい。


で、親御さんが注意し疲れてしまう
(そしてあきらめてしまう)という
現実的な問題点への対処法ですが


この場合でしたら、
「登る」動きが思いっきりできる環境を
テーブルやキッチンカウンターではない
登ってもいいところで
設けてあげて下さい。

一戸建てのおうちでしたら階段、
アパートやマンションでしたら共用階段
もしくは公園の小さなすべり台の階段など

登るという全身運動が
心ゆくまで楽しめるところに
連れて行ってあげましょう。



子どもがいくら言っても同じ行動をする理由の1つは
「それが今、発達が求めている課題だから」
です。


吸収する時期&運動の敏感期の働きのコンボで

「今、身につけたい動き」を何度も繰り返す
(ことによって、思い通りに動く身体を作る)

のが、主に6歳までの子どもの特徴(目的)です。


今の職場でも
お昼寝明けの元気な子どもたちが
そのパワーをありあまらせて
お部屋中を走りまくったり
机や棚によじ登ったり
ということが、たびたび起こります。--;


そのときの最善の解決策は
「お外に出て、思い切り身体を動かす」
です。
昨日がまさにこれでした(苦笑)


雨でお外に行けない日は
棚や机を寄せて、お部屋を広くして
音楽をかけて踊ったり、
体操をしたりして
とにかく運動のパワーを発散させます。


思い通りに動けるようになりたいから、動く
のがこの時期の子どもたちだからです。


止めても無駄ということは
理論的にも経験的にも重々承知しています。
「座って遊びなさい!」
なんて、むなしいセリフも全く響きません…笑


話が逸れましたが、
登りたい子どもには、登らせてあげるのが最善策です。

ただし、テーブルやキッチンカウンターではなく
登ってもいい階段で、です。


その間、目を離すことはできないので
大人も付き合う必要はありますが
1歳4ヶ月のお子さんだったら
ピッタリ後ろにくっついていなくても
一番下で見守り、
万が一バランスを崩して転がってきたら
途中でサッと受け止める
くらいの気持ちで大丈夫だと思います。
(または最初から階段の下の方に座って待機しているか)

もしくは、
いきなり階段が怖ければ
外にある2,3段の段差から
始めてみるのも手です。


今の子どもたちは特に
自由に動いて、試行錯誤する」体験が
私たち大人が子どもの頃よりも
減っているように感じます。

子どもは、実際に動いて体験したことから
多くのことを学びます。

登る動きひとつをとっても
子どもはたくさんのことを試しています。

手はどこをつかんだらいいのか
足はどういう風にあげたらいいのか
目はどこを見ていればいいのか
降りるときは前向き?後ろ向き?
どういう動きをしたときにバランスを崩したのか

などなど
たくさんのことを瞬時に感じ取り、考え、判断して
体験したことからまた次の判断が生まれます。

身体(運動)と脳(知性)と心(意志)
をつなぎ合わせて統合していく
という大切なことを
動く中で行っています。


ですので、止めても止めても繰り返す動きは
今、子どもが身につけようとしている動きなのだと理解して
その動きができる限り可能な状況を作ってあげて下さい。

自由に動ける環境+一貫した制限
を与えることで
子どもは生まれ持った自然な発達の道筋に沿って
まっすぐ育つ
ことができます。


親御さんが辛くならない範囲で(これも大事!)
他の大人の方とも協力して
・したい動きができる環境
・したくてもしない制限
を合わせて与えてあげて下さい。

回答後の経過報告

以前お答えしたことへのお返事を頂いておりますので
シェアさせて頂きます。
ありがとうございます。

(質問と回答はこちら↓)
montessorilover.hatenadiary.jp


【回答に対するお返事】

以前、トイレットラーニングと着替え練習の件で
ご相談したものです。
その節はありがとうございました。

その後、参考にして部屋の環境を変え、
あーでもない、こーすると良いのか?等
ひと月頑張ってましたが、
娘の「オシッコ出たー」の声とお漏らしが続きました。

もうそれこそ、
お漏らし当たり前みたいな雰囲気の中で
ひと月経って突然
「オシッコ出そう…」
に変わり、

え?え?と疑心暗鬼でトイレに連れて行くと、
オシッコがでました。
トイレで。


それ以降、たまに遊びに集中してしまい
お漏らしもありますが、
ほぼ全て、トイレでできるように成長してました。

こどもってすごいなー
成長が早いなー
と思いつつ
しかし、もう一つのテーマ、
自分でパンツとズボンを脱いだり履いたり、
はまだまだです。

でも、わたし自身、
このオシッコトイレ経験で、かなり自信がつき、
この子ならいつかできる!と思えるようになりました。
ありがとうございました。

ただ、それ以降、
家に帰ると自分で下半身裸になって過ごすようになってしまいました…。
多分、すぐオシッコいけるようにしているからだと思います。
これからもがんばります。

それから最後に。
保育園はとりあえず3歳まで待つことに決めました。
というのも小さい町で、保育園が三件くらいしかなく、
三歳になるまで待って町外の幼稚園も視野に入れて検討することにいたしました。

いつもブログ、本当に良い勉強になります。
お仕事お忙しいとは思いますが、楽しみにしております。

(お返事終わり)



こちらこそありがとうございます。

こうやってお返事いただけると
ブログを書く励みになります。


「この子ならいつかできる!」
という前向きな思いでお子さんに接するのと、
「いつになったらできるんだろう…」
という後ろ向きな思いで接するのとでは
大人の態度に雲泥の差が出ますので
そこは本当に、お子さんのためにも親御さんにとっても
よかったなぁと思っています。


そして、お母様が、
1ヶ月結果が出なくても諦めないでいて下さったことが
これまた素敵です。


ただ、着替えの説明は、
文字だけだと読んでもよく分からないですよね…
と改めて思いました。
それこそ「して見せ」られたら一目瞭然なんですが。
はがゆい。。。


ちなみに、
「下半身裸で過ごすようになった」
とのことですが、

風邪をひきませんように
と思いつつ、

0〜2歳児はズボンをはかず、
パンツのみで過ごす園があるのを思い出しました。


(全てのモンテッソーリ園ではないですが)
現場でも実践されていることを
おうちで自然にたどり着いて、実践している
(そして親御さんもそこにとやかく言わず見守っている)
んだなぁ、すごいなぁ
と思いました。



経過をご報告下さり、
シェアして頂いてありがとうございます。

Q. 集中現象って何? ②必要な環境と大人の対応

この記事のご質問のお答え、2つ目です。

montessorilover.hatenadiary.jp

前回、あんなに書いたのにまだ2つ目…我ながら、長っw


今回は、子どもが集中現象に至るのに必要な
環境&大人の対応について。
(最初、分けて書こうと思っていたのですが
 環境のことを書いていると
 どうしても大人の話も出てくるので、まとめました)



復習になりますが、
集中現象とは、

A. 自分で選んだ
B. 目的のある活動を
C. 手や身体を使って行い、
D. 繰り返し、没頭して
E. 深い満足感を持って自分で終える


この一連の流れのことだと、前回お伝えしました。


子どもに合った環境とは?
ということを大人が考えるときに、
この「5つの項目が可能になる」かどうか
をポイントにすると
考えやすくなります。


A. 子どもが自分で選べる

<環境>
・パッと見て選べる(ように並んでいる)
・いつも同じ場所にある

<大人の対応>
・子どもが選んでるときに口や手を出さない


(補足の解説)
パッと見て選べる
ということは、
まずスッキリかたづいた部屋の中に
目的が分かる道具や玩具が
目的別に分けられて、並んでいるという状態です。

(「montessori infant shelf」で画像検索↓)
www.google.com


1歳半~3歳ころまでは
ひとつの棚に6種類を目安に出しておいて
飽きたらローテーションする
というのが、園で道具を出すときに
何となく気をつけていることです。

6種類という目安は
これ以上少ないとつまらないし
多いと片づけられない
という子どもの姿から導き出された数です。



今の我が家もそうですが
おそらくこの時点で、
片づけ、断捨離も含めて
大人用の環境を大幅に見直す必要がありますw


大人は、道具の目的がもう分かっているので
たくさんの、雑然と並んだ道具の中から
目的のものだけを選ぶことができますが
(それでも定位置にないと、探してイライラしたりしますよね)

幼い子どもは、
「切る」ならはさみと紙だけ(をトレーに)、
「貼る」なら糊と紙だけ(をトレーに)
と、目的別に道具が置かれていないと
「パッと見て選ぶ」ことは難しいです。


多くのご家庭でありがちな
(私の子どもの頃もそうでした)
おもちゃ箱にすべてのおもちゃが入っている
という状態は、

選ぶ段階で部屋が散らかり
集中どころではなくなるので
あまりおススメはできませんw


棚は、低い一段棚が良く出てきますが
ご家庭でだったら、横置きにしたカラーボックスや
キャンプ用の棚でもOKです。

(ただしつかまり立ちの時期は倒れないものを使用してくださいね)

また、棚に置くだけでなく

「洗濯」なら洗面所またはお風呂場、
「干す」ならベランダの近く、
「掃除」なら廊下、
「花の水やり」ならプランターの近く

など、目的に沿った導線に
子どもの道具を置く
という方法もあります。
むしろこちらの方が、おうちでは自然ですね。

参照
everydaybeginsnew.com

(英語記事ですが、写真だけでもとても参考になります)


選んでほしくないものは
子どもの視界から取り除く
というのも、意外と大事なことです。

「さわらないで」「それはダメ」
をできるだけ言われない環境の方が
子どもの意欲がそがれません。


この「パッと見て選べる」だけでもクリアできたら
環境の50%は整ったと言えるのではないでしょうか。


B. 活動の目的がはっきりしている

<環境>
・活動に必要な道具がセットになっている


<大人の対応>
・使い方をゆっくり見せ、活動の目的を知らせる


(補足説明)

さっきとほぼ同じなんですが、
ここで「活動の目的」を強調した理由をつけたします。


例えば、トングの活動を例に挙げると、

①トングでポンポン(やおもちゃのパン)を挟んで移動する

活動は、
「トングで物をはさむ」ことそのものに興味があるうちは楽しい活動ですが
その動きができるようになると、飽きてしまいます。
そしてトングやポンポンを、他の道具やおもちゃと混ぜ始めます。


ここで、トングの本来の目的、
大人がトングを使うのはどのようなときか
を思い出してみると、


②トングで挟んだ食材を盛り付ける/調理する
 トングで挟んだパーツを貼り付けて制作活動する


などが挙げられます。

この段階にくると、
盛り付けや調理、制作そのものが活動の大きな目的となり、
トングで挟むという動きは、
目的を達成するための「手段」に変わるのです。


切った食材をトングで挟んでお皿に盛る
壺に入った梅干しやピクルスをトングで取る、

など、「トングで挟む」ことが直接の目的から、
「盛り付ける」「調理する」ための手段に変わる。


ここを気をつけていると
子どもが目的から逸れた動きをし始めた=飽きたときに
次の目的のある活動へつなげられます。



(「montessori infant tong」で検索↓)

montessori infant tong - Google 検索



この最初の小さな目的止まり
=手先の活動ばかり棚に並べているモンテッソーリ園は、
ほんとの意味ではモンテッソーリではないのよ
と、外国から来たトレーナーが嘆いていましたw
(この「モンテッソーリ≒手先の活動ばかり」
 という誤解は
 日本だけでなく欧米でも見られるそうです)




C. 子どもひとりで活動できる

<環境>
・道具が子どもの手で扱えるサイズ
・セットになっている

<大人の対応>
・子どもに使い方を見せて伝える
・見せるときはゆっくり。難しいところは特にゆっくり


前にご相談いただいた方は
道具だけ用意して、あとは子ども任せ
→でも使い方が違う…ちょっと貸して(中断・介入)
→もうやらない!わーん!

となっていたとのことだったので

まずは、大人が道具を実際に使って見せて、
それから子どもがする。
という順番を心がけてみて下さい。

ただし、3歳以下の子は
「やりたい!」
が先行して見ていられないことも多いw ので
その場合は「一緒にやる」ことを目標としてみてください。

私もここはいまだに自分の課題です。
2歳、むずかしい…でも楽しい…



で、子どもが使い方を自分なりに分かって活動し始めたら
大人は邪魔をせず、できるだけ見守ると。
ここも課題…どうしても手出したくなる…いやいやおせっかいおせっかい…


介入して止めなければいけないのは
明らかに道具の使い方が違うとき、
危ないとき。
(例:ほうきを振り回す、道具を投げる、洗濯ばさみで人の手を挟む(!)など)


「使い方が違うよね」(諭す、気づかせる)
(それでもわざと変な使い方をするなら)
「壊れちゃうね。そういう使い方をするなら使えないんだよ」
「今日はおしまいにしようね」
「これはそういう風に使うものではないんだよ」

などと、
子どもが泣いてもわめいても
止めなければいけない場合もあります。


でもこの状態って
子どもが飽きていて、次の新しい活動を求めている状態な気がするので
こちらの反省点でもあります。。。
うぅ、子どもの発達に大人が追いつかない(涙)



D. 繰り返せる/試行錯誤できる

<環境>
・壊れにくい、丈夫な道具
・失敗してもやり直せる

<大人の対応>
・失敗しても怒ったり「あ〜ぁ」と責めたりしない
・淡々と、リカバーの方法をして見せて伝える


これは、大人の対応の方が大事になってくるところ。

水をこぼしたら、つい「あぁー!」と大声をあげたり
「だから言ったのに~」的な愚痴を漏らしてしまったり

というのをグッとこらえて
できるだけ淡々と、動じない精神で(笑)

水がこぼれたくらいじゃ死なないし~
拭けばいいし~
くらいの、能天気な感じで行きましょう(笑)


実際、敏感な子どもは
「あぁー!」と言われたことを
次から二度とやらなくなることもあるので
ここはほんとに、子どもの意欲の目を摘まないよう要注意。
(と自分に言い聞かせる そればっかだな!w)


あとは、
大人と違うやり方を子どもがしていても
目的さえ合っていればあえて訂正しない
というのも大事ですね。

子どもは子どもなりに
自分のやりやすい方法を見つけようと
試行錯誤しているところなので。


この試行錯誤を邪魔しないと
集中現象に至る
確率が高い気がします。



E. 満足するまで活動できる

<大人の対応>
・途中で中断したり、
「他のもやってみたら?」などと言ったりしない
・大人の方から「すごい!」「上手!」などとほめない
 子どもが大人に求めてきたら
「長い時間やってたね~」と事実のみ伝えてそのがんばりを認めるのみ


今担当している親子クラスを見ていると
お子さんがせっかく集中しているときに
「そればっかりやってないで、こっちもどう?」
「ほらこれもあるよ~」
と勧める親御さんも少なくないです。


たぶん、
せっかくお金払ってきてるんだから
いろいろ体験してほしい!
という思いだと思うんですけど、

こちらとしては
せっかく集中しそうだったのに
もったいない!
という思いなので、


タイミングを見て(伝えられそうだったら)
なぜ集中が子どもの成長に大事か
という話をするようにしてます。
(伝えられないときもありますし
 伝わらない場合もありますが)



あと、「褒めない でも認める」
という話は以前も書きましたが

褒めることをくせにしていると
子どもの方が、それを欲しがるようになり、
「自分がやりたいから」する のではなく
「ほめられたいから」する ようになり
活動の目的が変わってきてしまいます。


子どもが自分で考えて自分で選び、自分で決めるためには
そして集中し、その中でよりよい自分を作っていくためには
ほめ言葉は邪魔になるのです。

でも「がんばった」ことだけは
認めてほしいのです。


結果ではなく、プロセスを見守ってあげる
それをほめるのではなく、認める

みたいな感じで、接していけるといいですね。
(とまた自分に言い聞かせる)



以上、
駆け足でザックリお答えしましたが
また何かわかりにくいところなどありましたら
遠慮せずバシバシ突っ込んでください。


引き続きご質問・ご相談お待ちしてます。
montessorilover.hatenadiary.jp

回答まとめ Q. 4歳半 急に不安定になって荒れています

前3回にわたる、ご相談への答えが
あまりにも長くてとっちらかっているので
まとめてみました。

(元のご相談はこちら↓)
montessorilover.hatenadiary.jp



<子どもの困った言動の原因として考えられること>

環境が子どもに合っていないというSOSでは?

他人と比べることにより、
自己評価が低くなっている状態。

(そのきっかけは不明。
 事実としてあるのは、 
 モンテッソーリ教室の一斉活動以降、
 「モンテッソーリなんて大嫌い!行きたくない」
 とかんしゃくを起こすようになったのがきっかけ)



<必要な環境・大人の対応>

あるがままの自分を受け入れ、認めてもらう。
+自分がやりたいこと、できることを少しずつ増やしていく。
+失敗してもやり直せる、だから必要以上に恐れなくていい
 ことを体験によって実感する。

→自分への基本的な信頼感、自己肯定感を強くしていく。


子どもの環境を見直してみる。
子どもの育ちに関わっている大人と
「情報共有」+「相談」という形で話し合う。


話し合ってもどうしても分かり合えない
→親御さんの不安感が拭えない、子どもの様子が変わらない

この場合は、合わない環境をお休みする、
子どもに合う他の環境を探す、なども検討。


子ども当人とも話をたくさんして
本音を聞き出す。
負の感情表現をなかったことにしないで
受け止める=ありのままの自分を全肯定してもらう体験


子どもの育ちを邪魔するものを取り除くのも
大人の役割として大切。

最優先は、
「そこにいる自分(子ども)が幸せか」
ということ。



(まとめ終わり)



以上です。
(これだけのことに、何つらつら書き連ねてたんだ…ほんと、語彙力…)


こどものいえを辞める、
という選択は
モンテッソーリに魅力を感じていて
でもモンテッソーリ園でない園に通わせている親御さんにとっては
もったいないと感じるのでは、と思います。
(入学金もそれなりでしょうし)


でも正直なところ、
ほんとにピンキリなんですよ、モンテッソーリの世界って。

私がよくないなと思うのは、
モンテッソーリを謳っていて
肝心の子どもがちっとも満たされてないという
メソッド優先、子ども置き去りのパターン。


そんなモンテッソーリだったら、やらない方がいいのに。

って思ってます。


大切なことなので繰り返しますと
最優先は子どもの幸せであり
その幸せな体験の積み重ね
もっと言えば、幸せでないときに
他の誰かが寄り添ってくれたり
一緒に解決しようとしてくれた体験の積み重ねによって
最終的に自立して、世に羽ばたいて行ける
ので
そこだけ見失わなければ
大丈夫だと思います。


また何かありましたら、
いつでもご相談お寄せ下さい。