モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

「資格と経験」という名の武器と凶器

今回はかなり自戒を込めた内容。


私の保育業界でのお勤めが、今年で7年目に入りました。
もう初心者ではなく、でもベテランでもない、
いわゆる中堅どころです。

プラス、
保育士、国際モンテッソーリ教師0-3歳、3-6歳の
3つの資格を持っている状態になりました。

これまでに得た資格、そして経験は
もちろん武器にもなりますが、
時に凶器にもなります。

これらの資格や経験にとらわれて
目の前の子どもを先入観なく見るということが
できなくなることがあるからです。


子どもに携わる大人の役目は;

子どもの発達を学び、それに合った環境を整える
→子どもと環境をつなげる(紹介する)
→環境の中での子どもの様子を観察する
→子どもの発達を邪魔するものを環境から取り除き、合うものに変更する
→子どもと環境をつなげる
→環境の中の子どもを再び観察する
→子どもの発達の邪魔になるものを再び取り除く
(以下ループ)


子どもの発達が進めば、今まで合っていた環境も合わなくなってきます。
そうしたらまた、子どもを観察して、発達に見合った環境に変えます。
そして、子どもと環境をつないで、環境の中の子どもを観察する。

ずっとこの繰り返しです。


この繰り返しの中で特に大切なのが
「子どもを先入観なく観察する」こと。

今までの経験や資格が、この邪魔になりうることを
特に7年目の私は、よくよく心に留めておかないとなぁと
日々の保育の中で感じています。

ちょっと油断すると
子どもをよく見ないで
「どうせこうなんでしょ」と決めつけてしまうことが出てきてしまう。

でも
大人の先入観ほど、子どもの育ちの邪魔になるものはないと思っています。


そして、その先入観が
自身の保育経験と
保育関連の資格を持っているという自負から来るものならば

資格と経験は子どもを生かす武器ではなく、
その子どもの個性を殺す凶器になりえます。


今はもうなくなってしまいましたが、
私が最初に勤めたあかねこどものいえの園長先生が
私に最初に仰って下さったことは

「先生が学んできた一番新しいことを、私たちにもぜひ教えて下さいね」

園長先生こそ
何十年の経験があり、
保育士とモンテッソーリ0-6歳の資格をお持ちの方です。

だけど、そんな人が
新人の私を、何もわからないひよっこ
ではなく、
最新アップデートされた情報を持った人
としてとらえ、

私を見下すこともなく、
私に対して偉ぶることもなく
むしろ私からも学ぼうとする姿勢に
ビックリしたと同時に、とても感動しました。


資格と経験を積めば積むほどエラそうになるのが
自分も含め、人間の常なのに。


もちろん、新人として分からないこと、足りないことも
たくさん教えていただきましたが
言葉よりも、態度で、ふるまいで
ロールモデルとして教えて頂いたのは
「常に謙虚である」ことです。

謙虚じゃなかったら、新人から学ぼうなんて発想は出てこないと思うのです。


あかねのあとのお勤めでは
残念ながら、こんないい上司に出会えていません。

経験にプライドを持つのはいいけれど
それが時に新人のいい意見をつぶし
さらには子どもの育ちの邪魔をする。

そんな人の方が多いんだなと
私はあかねを出てから感じました。

あかねの中にいるときはそれが普通だと思っていたけど
そんな人、なかなかいない。

そしてこれは、人に求めてもしょうがないことです。

だから、次は私が
この園長先生のように
新人の先生からも学べる、謙虚な人になれるよう
経験を振りかざして傲慢にならないよう
努力する番だなと感じています。


自分の言動が子どもや他の先生にどう影響しているか
何か邪魔をしていないか

自分だけではどうしても気づきにくいので
周りの同僚にも
「なんか変だなと思ったら何でも言ってね」
と伝えつつ
自分でも、自分自身を客観的に省みる努力を続けようと思います。

その中で、子どもたちとの時間を楽しんでいきたいです。

これが今年度の抱負。