モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

Q. トイレラーニングと着替えのサポートのしかたについて

【ご相談  2歳4ヶ月 女の子】

こどもがお人形の服を脱がせて
おしっこさせているのを見て、
この春からトレーニングしようとしていたのを
寒い冬に前倒しで始めました。
服の着脱は、手伝ってやっとできる程度です。
この順番は大丈夫なのかな と思っています。

保育園に通った3ヶ月間(1歳10ヶ月から2歳)は、
お友達に触発されたのか
服を「自分で(着る)、自分で(脱ぐ)」
と言っていたのですが、

(引越で再び待機児童となった)今はそれもなくなり
靴や靴下も履かせて〜という感じです。

どういう対応をするとスムーズに自立していくのかなと思ってます。



【回答】

トイレラーニングと
着替えの自立をスムーズに進めるためには
【物の環境】をもう一度、見直してみる必要があります。


見直しポイント① 衣服

以前も衣服の選び方について触れましたが、
montessorilover.hatenadiary.jp


トイレラーニングの時期、衣服は
「子どもの自立をサポートする物の環境」の中でも
特に大切なもののひとつです。


衣服の中でも特に、
ズボンの選び方が重要になります。


2歳児のお子さんでも、自分で着脱できるズボン
という目線で見直すのは


サイズ(小さくないか)
(ピタピタのスキニーより、ゆったりしたタイプ)
素材(よく伸びるもの)
留め具(ない方がベター)


です。

もっと具体的には
脱ぐとき:腰まで下ろしたら、あとはストン!と落ちる
はくとき:両足を入れたらスッと腰まであげられる
ズボンがベストです。


このような目線で選んだズボンとパンツを
トイレラーニングの時期は、
いつもより多めに用意しておくと
お洗濯が間に合います。


もし余裕があれば
ズボンやパンツの前後ろが分かるように
前に印をつけておく
さらに大人の口や手が必要なくなります。



コメント欄で教えて頂いた
無印のズボンや
楽天の関西ベビーというお店にあるズボンがおすすめのようなので
そちらもぜひ参考にしてみて下さい。

www.muji.net


(↑クリックするとお店のHPに飛びます)



見直しポイント② お着替えの場所


低い棚やカラーボックスを
子ども用のクローゼットにして
もしくは高い棚の下の段を
子ども服置き場にして

選んだ服を置いておくと、
「子どもが自分で選んで着替える」環境を作ることができます。


ポイントは

・パッと見てどの服がどこにあるか、視覚で分かるようにディスプレイする
(ハンガーやフックにかける
 またはカゴに入れるなどの見せる収納、
 引き出しならアイテムの写真や絵をつける など)

・服の選択肢は、1つのアイテムにつき、3〜4枚
(残りは洗い替え用に別のところにしまっておき、
 子どもに見えるところは常に3〜4枚)


です。

さらに、子ども用の椅子があると
特にズボンとパンツの着脱は楽です。



「montessori wardrobe」、「子ども カラーボックス」
などのワードで画像検索↓すると
素敵な子ども用クローゼットの画像がいろいろでてきますので、一度ご覧になってみて下さい。

www.google.com


www.google.comwww.google.com





トイレラーニングの時期は
トイレやおまるの近くに

・ズボンとパンツを入れた引き出しやカゴ
・子どもサイズのイス
・汚れ物を入れる蓋つきのバケツ

を用意しておくと

子どもの着替えの「自分で!」を
よりサポートすることができます。


これも

モンテッソーリ トイレラーニング 

で画像検索すると
参考になる画像がたくさん出てきます。

www.google.com




見直しポイント③大人の手伝い方

この記事↓
montessorilover.hatenadiary.jp
でも詳しく書きましたが

「できないところを手伝って
 子どもと協力して行い
 子どもが自分でできたと感じさせる」
ような手伝い方がベストです。


ズボンをはいたときに
前はあげられても、お尻がひっかかった!
できない!やって!
となったら、

前を子ども、後ろを大人が持って
せーので持ち上げる
→はけた!


というような

子どもとのコラボレーション(共同作業)

を描いてお手伝いしてみて下さい。



お子さんが「やって~」と
最初から甘えてきたときには、

全部やってあげると子どもが何もしなくなってしまい、
逆に子どもに丸投げするとかんしゃくを起こしてしまう
という極端な結果になりがちなので、


その間を取って

「一緒にやろうね」と声をかけて
「できないところだけ見極めてお手伝い」
→徐々にお手伝いの部分が減って、
最終的に自分一人でできるようになった

を目指してみて頂ければと思います。


着替えがまだひとりでできないから
トイレラーニングは早い

という発想ではなく、

トイレラーニングも含めて
着替えの練習中

というポジティブな発想で
毎日のお着替えとトイレラーニングを
サポートしていただけたらと思います。


今後、トイレラーニングを進めていくうえで
また何か困ったことがありましたら
ご質問をお寄せください。
(こちらの記事↓のコメント欄にお願いします)

montessorilover.hatenadiary.jp

Q. 子どもに合う園の選び方

【ご相談 ① 2歳4ヶ月 女の子】

待機児童でようやく保育園に入れてホッとしたのもつかの間、
3ヶ月後転勤でまた違う地方に来たため待機児童になり
家庭保育を再開しました。

一度保育園見学に行ったときに、
門の前で後ずさりしていました。

その姿を見て、3歳になってから
保育園か幼稚園に行ってもらおうかと思ったのですが

一度保育園に通う経験をしていたなら、
なるべく継続して保育園へ行くよう努めた方がよいのでしょうか。
モンテッソーリの考え方ではどうなのでしょうか?


【ご相談② 2歳4ヶ月 男の子】

息子の幼稚園を考えはじめています。
住んでいる地域にモンテッソーリ園はないようなんですが
息子に合う園をどのように選んだらよいのか、
園と息子をどのように見たらいいのか
アドバイス頂けたらうれしいです。

先日、いくつかプレ幼稚園の体験会に参加したのですが
息子はなかなかじっと座ってられず先生の話も聞いてませんでした。

そもそもまだあまり言葉を喋れない息子なのですが、
集中力がある子なら
どんな園に入っても楽しめるのかもしれない…とも思いました。

話を聞く、というのを促すのに私が普段できることがあれば教えて頂きたいです。



【回答】

園の選び方についてのご質問を
お二方から同じタイミングで頂きました。
共通するお答えもありますので
この記事の中で回答させて頂きます。


まず、お一人目の

待機児童→やっと保育園入園→その3ヶ月後に引越、再び待機児童に

この流れだけ見ても、
本当に大変でしたね…
と思わずにいられません。


親御さんはもちろんのこと、
お子さんも、急激な環境の変化を体験して
新しい環境に慣れるのに、
今少し時間を要しているのではないかと思われます。


保育園見学をされたときに
お子さんが門の前で後ずさったのは
「え、また環境変わるの?」
ということを無意識のうちに、敏感に察知して
警戒したが故の行動なのではないかと思います。


ですので、このお子さんの様子も鑑みて
「保育園に通っていたから
その後も継続して保育園に通ったほうがいいのか」
というご質問に対しては


「親御さんのご事情が許すのであれば
今、ムリに新しい保育園に入れなくてもよい」


というのが回答になります。


参考までに
AMI(国際モンテッソーリ協会)の見解は


「0,1,2歳児クラスの施設は、
午前中〜お昼過ぎの4時間程度を
子どもが過ごすことが理想的であり

長時間子どもが過ごす必要がある施設は、
働かなければならない大人の方の都合に合わせたものである
(だからこそ、子どもにとってよりよい保育環境を提供できるように
施設の大人が試行錯誤することが求められる)」


ということですので、
もし親御さんが
今すぐ働きたい、子どもを預けなければいけない
のではないのなら、

お母様が最初に感じられた通り、
3歳を待って、保育園または幼稚園をお探しになるとよいのかなと思います。

今は、新しいおうち、新しい場所に慣れようと一生懸命の時期なのではないでしょうか。



そしてここからは
お二人目のご質問にも共通する
「我が子に合った園の選び方」
についてです。

これに関しましては
あくまで私の考え・意見になりますことをご了承ください。
(私というフィルターを通しているので
 モンテッソーリエッセンスは必ず入りますがw)


先日のプチトークイベントでも
「先生(私)だったら
 どういう目で園を選びますか?」
と熱心に尋ねられ
なかなか頭をひねったのですが


一つの目安となるものに


園の子どもと接している先生方が
笑顔かどうか


があるなぁということに
そこで気づかされました。


子どもの周りにいる大人が
笑顔で過ごせているかどうか

これってすごく大切なことです。


この笑顔には、

子どもが好き
子どもと過ごす時間が楽しい

はもちろん、

この仕事が楽しい、安心して働けている

という気持ちも現れていると思うのです。



大人は、子どもにとって
大切な【人の環境】
です。


6歳までの吸収する時期は特に
大人がどのような気持ちで、どのような態度で
過ごしているか
ということを、スポンジのように吸収して
自分を作っていきます。


子どものそばにいる大人が笑顔である
ということで

あなたと一緒にいて楽しい
あなたと過ごすことは私にもいいことだ
あなたがいてくれて嬉しい
あなたの存在が、大切で愛おしい

という無言の、でもとても大きなメッセージを
子どもは無意識のうちに受け取っています。


これは子どもの

私がいるこの世界は、いいところだな

という、
「世界への基本的信頼感」を育む環境です。


これは
人生を歩んでいくために必要な
精神的な2本の脚

のひとつです。

(もうひとつが、自分はこれだけのことができるという「自己への基本的信頼感」です)


先生の笑顔というのは
この「世界への基本的信頼感」が育まれる環境の
1つの目安となります。


逆に
先生の笑顔が少ないな
と感じられる園は


何かしらの理由で
先生自身が満たされていない
子どもに笑顔で接する余裕がない
という可能性があります。


先生が笑えていない、その背景には
様々な理由があると思うのですが、


・子どもより自分が主役の保育
 自分の思い通りに動かない子どもは好きじゃない 
 という考えがどうしても抜けない。
 だから子どもとしょっちゅう対立関係になってしまい、
 怒ってばかりになってしまう。
(本当に本当に残念なんですが、まだまだ少なからずいます…)


・子どもと接するのが好きでこの仕事に就いたはずなのに

書類作業や作り物など、保育以外の業務が多過ぎる
就業時間が長過ぎる。
休憩や休みが充分に取れていない。
行事が多過ぎ、準備に追われ過ぎて肝心の子どもと向き合えていない。
お給料が(仕事内容の責任の重さや大変さに比べて)安すぎる。

 など、勤務上のシステムが悪いため、
 気持ちの余裕がない、だから笑えなくなっている。


・職場の先生どうしの人間関係に疲れている 
 本当は子どものために変えたほうがいいんじゃないか
 と思うことがあっても、言えない
 もしくは聞いてもらえない。自分が折れて従うしかない。
 でもそれってすごく疲れる。だから笑顔がなくなってしまう


などなど、自分の経験からパッと思いつく原因を挙げてみました。
(暗い話になってしまってすみません)





先生が笑顔
=先生がハッピー
=そこにいる子どももハッピー


だからこそ、
先生が笑顔でいられる園って
とても大事だなぁと感じます。


保護者の立場としても
笑顔の先生の方が、安心すると思います。

何か子どものことで相談したい
と思ったときに言いやすいのも、
仏頂面よりは笑顔の先生だと思います。


もちろん、園にいる子どもたちの笑顔があるのは、大前提で。


保育園、幼稚園に我が子を預けるということは
自分ではない他の人に、時間・期間限定とは言え
子育てや教育を委ねるということなので


100%、自分の考えや理念通りに育ててくれるかというと
それはまずムリといいますか、
まぁ難しいことなんですが


もし何か、園や先生の対応に対して
モヤモヤしたり、疑問に思うことが出てきたときに

オープンに聞ける雰囲気なのか、
シャットアウトされた雰囲気なのか

というのは、長い目で見てけっこう大事です。


その目安が
先生たちの笑顔
なのかな〜と思います。




そこも含め
見学に行ったときに
もしくは公園などの公共の場で
園児や先生たちを見かけたときに
親御さんご自身が感じ取った雰囲気や空気は
意外と無視できないと思います。


ちょっと違和感…
なんかもやもやする…


というのも、充分な判断材料になります。



もちろん、危ないことを止めたり
子ども同士のいざこざの仲介をしているときは
笑顔ではないですが。(当たり前か)




ちなみに、
「園見学に行ったときに、子どもが話を聞けなかった」
のは、2歳児の自然な発達なので、心配し過ぎないで下さい。

自分が興味あること、楽しそうなこと
にしか向かえないのが自然な時期です。


大人向けのお話は
お子さんにはきっとつまらなかったことでしょう。笑


お子さんが興味があること、
例えば車、電車が好きなら
車や電車の絵本を読み聞かせることを
毎日毎日繰り返していると

気づいたら、他の長い絵本でも聞けるようになっていた
という成長はありますが
それはあくまでも結果であり

絵本は、聞けるようになることが目的ではなく
親子で一緒に楽しむものなので

一緒に楽しんで、結果として、
長いお話も聞けるようになった!

くらいの気持ちで
絵本を一緒に読む
というのは、おうちでもできることかな~

そのくらいしか思いつきませんでした^^;

(でも何度も言いますが、
 話を聞くことを「目的」とせず
 おまけの「結果」そうなったらラッキーくらいで)



話が長くなりましたが
(いつもよ)

いい園だなと思える目安の一つは
「先生の笑顔」


あとは、園の方針や規模
園庭の有無などの物の環境と
お子さんの性格がマッチしているかどうかを
親御さんがよく考えて判断していただければと思います。
(至極当たり前のことしか書けなくてすみません)


お子さんに合った園に巡り会えますよう
お祈りしています。

Q&A 回答へのご感想と新たなご質問

トークイベントの準備に夢中になりすぎている間に
こちらの方にも回答へのご感想と
新たな質問が2つ書き込まれておりました。
気づくのが遅れてすみません。


偶然にも、頂いているご質問がお2つとも
「幼稚園・保育園の選び方」
に関してなので
お一人ずつ答えさせて頂きます。
少々お待ちくださいm(_ _)m



さて、
「子どもが集中するには①〜③」のご質問を頂いた方から
嬉しいコメントをお寄せいただいたので
匿名で抜粋して掲載させて頂きます♡



「記事を見て以来、
できる限り観察をしてみることにしました。

確かに翌日に料理をしないと言ったときは、
別のおもちゃで遊んでいたかもしれません。

別の日に、誘ってはいませんでしたが
卵をまぜていたら、走ってやってきて
ステップを運んできたので、させてみました。

手が汚れると、すぐに混ぜるのをやめてしまいましたが
ためしに具材を入れるのをやってもらうと
また混ぜ始めました。
ひとまず、料理自体が嫌いなわけではなさそうです。」



「これまでは、 掲示の仕方が分からない、
説明しても聞いてくれない、
使い方が多少間違ってもいいからやらせてみよう(掲示なし)
→使い方違うのがやっぱり気になる。
 これをこうやるよと言いながら手出しする。
→自分でやりたがり、ふてくされる。
→ママやってになる。
 私も根気がないと思う。

という感じでした。。
もったいないことでした。
子どもが最初から根気がないのではなく、
私自身が、子どものやる気をそいでいたと気づきました。

なのに、あまり子どもを観察せずに、
真新しいものに飛びつき、食いつきが悪いとまた別のものに、、、
子どもからしたらいい迷惑ですよね^^;。

いま、少し難しいことになるとすぐに「ママやって」になります。
そういうときは、まずは、いっしょに協力しながら行う、を意識したいと思います。
(中略)
難しすぎることはお休みして
息子をよく観察して、発達にあわせて
できそうなこと、興味をもってそうなことから始めてみます。


この記事を読む前、
コートをハンガーにかけることをルーチンにしていたのですが、
できなくて難しくて、コートを放置したり
毎回きーっとなって、機嫌が悪くなってしまっていました。
よかれと思っていたことが子どもを苦しめていました。

いまは撤去して
コートはただフックにひっかければよいとしました。
笑顔が増えました。

また、「やり方が違っていても、目的さえあっていれば見守る」は
私が強く自分に言い聞かせて、
つねづね思い出せるようにしようと思います。


うれしいことがありました。
料理で、たまごを混ぜてもらうことを
したいというときだけしてもらうようにしました。

最初は混ぜ方も下手だし、
混ざってなくてもすぐに「終わった」といって
手を止めていたのですが

「もう少し混ぜて」と言いたいところ我慢して、
変化をもたせるために好きな作業をおりまぜた
(調味料などを自分で卵に投入してもらった)ところ、
まぜる動作を再開する

という感じで無理なくしてもらっており
最近、混ぜるのがとても上手になりました。

混ぜ方も最初は変な力が入っていたのが、
私のやり方と似てきて、
卵の黄身と白身も綺麗にまざって、
それを見たときは、とても感動しました。


まだいまだに、集中してやるような活動はなく
電車遊びもいっしょにしたがりますが
料理に関しては、自分で椅子をもってきてキッチンに立ちたがるので、
させてあげられること(投入したりちぎったりまぜたり野菜を洗ったりといった簡単なことのみですが)をいっしょにしていきたいと思います。 」




ありがとうございます!!!(感涙)


この、少しの期間での親御さんの変化、
そして親御さんが変わったことで
お子さんも変わり、
親子関係がよくなったことが
このご感想の文章から伝わってきて
私もとても嬉しいです。


そしてご質問にこたえようとすることで
私自身の大きな学び直しにもなっていますので
本当に本当にありがたいです。


ご質問は随時受け付けておりますので
どうぞご遠慮なく(社交辞令ではなく本心です)
お寄せ下さい。

(おこたえにお時間かかってしまうことだけご了承下さい)

初のトーク?イベントやります

今回はお知らせです。

モンテッソーリ3-6歳の学校で同期だった友人が経営している幼児教室で
0-3歳のモンテッソーリについてお話するイベントをします。

www.facebook.com

↑名前出ちゃってるしw もういいの別に隠すわけでもないから


おかげさまで、人も着々と集まり盛況みたいですが
あと2~3枠空きがあるようなので

わ、たまたま空いてる!たまたま近い!
みたいな奇跡的な方がいらしたらぜひ…
(そして率直な感想を聞かせて下さい。ぜひ。)


私のような、資格取り立てのペーペーが
エラそうにお話するなんて、
なんだかおこがましいと思いつつも

普段の勤め先の親子クラスでのやりとりが
想像以上に楽しいのと
親御さんたちが、子育てのお悩みやモヤモヤを吐き出して
かつモンテッソーリエッセンスから解決のヒントを見出して
笑顔で帰ってもらえているので

その楽しさを他の場面でも、他の人たちとも共有できないかな~
親御さんたちの笑顔見たいな〜

と思って、いっちょやってみることにしました。


初めてなのに、まさかのQ&A方式です(爆)


あらかじめ質問お寄せ下さいってお願いしてあるんだけど
まだ一問も来ない…


なのでどんな質問が来てもある程度お答えできるように
資料を作っているのですが
既に膨大(汗)



このトークイベント(っていうのかな?)で頂いた質問も
普段の親子クラスで頂いている質問も
またこちらで書きたいと思います。



うまく行きますように。(小心者)

子どもが集中するには ③大人の関わり方

前回、前々回からの続きです。

1つのご質問にえらい時間がかかっていて申し訳ないです。
許されるなら直接お会いしてお伝えした方が早そうだと思いつつ^^;
自分の整理のためにも、書き残します。

montessorilover.hatenadiary.jp

montessorilover.hatenadiary.jp


子どもが集中するにはどうすればよいか、
ということで

①まずは子どもを観察
②物の環境を見直す

につづき、今回は3つ目の
大人の関わり方を見直す
です。


0-3コースでも
一番大切なのは、人的環境である大人
だということを、何度も何度も言われました。

(そしてあの理不尽に詰め込まれた過酷なスケジュールは
 子どもからの理不尽な要求にも何食わぬ顔で応えられるようになる
 人的環境を鍛えるための訓練だったとしか思えないですw)


実は、ご質問の文章の中で
一ヶ所、気にかかっているところがあります。
そこが変わると、
もしかしたらお子さんが集中するようになるのかもしれない
と感じましたので
失礼を承知の上で、抜粋させて頂きます。



>子どもの手に合う道具、ということで、
 小さなフローリングワイパーも
 目に付くところに置いてあります。

>私が大人用のワイパーですると、
 本人も少しするのですが、
 その後はなぜか私に
 「ここも、こっちも」と指示する係になり・・・
 (私がそう言いながら教えたからか)



何が気になったのかと言いますと

「(そう)言いながら教えた」

のところです。



もしかしたら、ご質問者様は
「口で説明しながら、動作を見せているのかもしれない」
と感じました。


これはご質問者様に限ったことではなく
おそらく多くの大人が
何かを説明するときには、
無意識のうちに「しゃべりながら動いて」いると思います。


でも実は、

・言葉を聞く
・動作を見る

という2つのことを同時に行い
その情報を処理するのは
子ども、特に3歳以下の子どもには
とてもむずかしい

というのもまた事実です。


動作をして見せるときの基本は
「しゃべらない」

逆に、話しているときは
動きを止める。


動作と、言葉を
はっきりと分けた方が
幼い子どもには、より伝わりやすくなります。


そして
動作を見せるときは
一つ一つの動きを分析して
ゆっくり見せる
ように心がけます。


例えば、ワイパーで窓を拭く場合は

①持ち手を両手で持つ
②窓にワイパーを当てる
③上から下へ、ゆっくりおろす
④下にたまった水滴を拭く

の4つの動作にわけて、ゆっくり見せます。


ただし、3歳までの子どもは
大人がして見せている途中でも
「じぶんで!」とカットインしてくるのもまた日常茶飯事w

なので一連の動作をすべて見せてから子どもにさせる
というよりは

して見せる
→「じぶんで!」と言われたらさせてみる
→「できない!」となったらまたして見せる

の繰り返しで、
子どもと協力しながら行う
という心づもりでいた方が、大人の気持ち的にも楽です。


3歳までの子どもへの
動作の見せ方については
こちらの記事もご参照ください。
montessorilover.hatenadiary.jp




そして、子どもがしているときの注意事項として

「大人と同じやり方でなくても
 (目的さえ合っていれば)見守る」

のがとても大切です。


見せたやり方と違う使い方をしていると
私たち大人はつい

「あ~そうじゃなくて!こうだよこう」

と手や道具を持って訂正したくなります。


また、

「次はここやって」「その次はここ」

と、つい大人の目線でやってほしいことを
矢継ぎ早に伝えたくもなります。


が、2歳前後の子どもは特に
自尊心がものすごく強いので
こちらが何かちょっと口を挟んだだけで
「やらない!」とひっくり返ることもしばしば。


そして、ひっくり返るまでいかなくても
大人のほんの少しの声かけで
行動に向かう子どもの「やりたい」気持ちがそがれてしまう
そんな繊細な時期でもあります。


集中するには、まず「やりたい」からスタート。
そのためにも、


子どもは、自分のペースで
目的のある動作を練習している。
その練習のプロセスを味わい、楽しんでいる。

ということを心の片隅に置いて


大人が望むような動きでなかったとしても
声をかけるのは、いったん待ってみましょう。


そして、子どもの目の真剣さや
手に入った力加減などを
観察してみて下さい。


その子なりに、その子のやり方で
一生懸命やっていることが
伝わってきたら
そのまま見守ってあげると


「おかあさんは、ぼくにやらせてくれた」
「わたしを信頼してくれた」

という気持ちに繋がります。


大人が少し我慢して見守ることで、
親子間の信頼関係が育まれると共に


自分には今、
これだけのことにチャレンジする力がある
これだけのことががんばれる
これだけのことができるようになった
だから次もきっとできる


という、自分への基本的信頼感にも繋がります



余談ですが
私が自分の子どもたちへの態度を見直すときに、
いつも思い返すのは
イソップ童話の「北風と太陽」です。


「旅人のコートを脱がせる」
という同じ目的でも
北風と太陽では手段が違い、
結果として太陽が、目的を達成します。

北風が、風の力でコートを吹き飛ばそうとしたのに対し
太陽は、温めることで旅人自らがコートを脱ぐように導きました。


私たち大人はつい
自分の思うように子どもを動かそうとしてしまいがちですが
力ずくで立ち向かうほど、うまくいきません。


同じ目的を達成するなら
愛を持って、温かい気持ちで
子どもが自らそこへ向かうような
そんな態度でいられるよう心がけています。
(と言いつつ現実は北風になってしまうことも多々あり…自省を込めて書き残します)


子どもの動作を見守るというのは
太陽と同じような、温かい愛があるものだと思っています。



ただし、
目的から外れた使い方をしていたら
何度か正しい使い方を見せて
それでもだめなら
いったん止めにするという
制限もこの時期は必要です。


例えば、ワイパーで窓をガンガン叩き出したり
振り回してみたり、投げてみたり


目的とは明らかに違う危険行為をするときは
子どもの心が、この道具を使えるようになりたいという方向に
向いていないサインです。


このような子どもの行動は
見守る必要はなく
むしろすぐに止めなければいけません。


ということも併せてお伝えしておきます。


www.kodomonodouguya.com




ご質問者様のお悩みが少しでも晴れましたら幸いです。
長いことお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。



引き続き、ご質問募集中です☆
何より、私自身の学びになるので、ご質問していただけたらほんとに喜びます。
montessorilover.hatenadiary.jp

子どもが集中するには ②物の環境を変える

やっぱり年越しました…すみません。

明けましてもうだいぶ経ちますが、
2019年もどうぞよろしくお願い致します。


さて、前回の続きです。
montessorilover.hatenadiary.jp


子どもが活動に集中するにはどうすればいいか
ということで、

まずは子どもを客観的に観察
→そのデータをもとに
子どもに合う環境を整える


前回の観察に引き続き
今回は環境の話です。


と、その前に

質問者様からお返事頂きました。
(ありがとうございます!)

「親の都合で『集中してほしい』と思っていたことが恥ずかしい」

とのことでしたが、

申し訳ありません、責める意図は全くなく、
ご質問の文章から分析したことを、
冷静に淡々と書くように努めた結果が
前回の記事です。

淡々としすぎて、どこか突き放したような
冷たい印象を受けられたかもしれません。失礼しました。


いろいろエラそうに書いている私も
職場(保育園)ではいまだに

「今は子どもが落ち着いてるから、あっちの掃除ができるかも!」
(と思った瞬間にトラブル勃発、手が離せなくなる)

とか、

「全員が寝ている間に書類仕事を〜!」
(と躍起になっているときに限って誰かが泣いて起きて全然進まない)

みたいなこと、しょっちゅうです。
子どもがそばにいたら、大人の思惑通りには事が運ばないのが常です。ハッハッハ(半ば諦めの境地)



だから、お子さんを保育園に預けている親御さんが
お迎え後のいちばんバタバタした(しかもお仕事で疲れている)ときに

「ご飯作らなきゃいけないから、ひとりで遊んでて〜!!!」

と思うのは至極当たり前というか、
むしろ共感しかないです。


だけど、子どもが
自分たち大人とは異なる
ひとりの人としての存在であることもまた確かです。
こちらの思うようにいかないのも
当たり前といえば当たり前。


だからこそ、モンテッソーリのお知恵を拝借して、
(言い方は悪いかもしれませんが)こちらの思惑と、
子どものやりたいことがうまく重なるような方法
またはそのヒントを探し出せないかな〜
と常日頃感じているわけです。


特に、モンテッソーリには
大人から子どもへの直接的・対処療法的な働きかけ以外の

「物の環境を変える」
という、間接的かつ根本的な改善にあたる部分も含まれているので
これを子育てに生かさない手はない、というのが私の考えです。


で、前置き長くなりましたが、
今回はその、「物の環境」のお話です。



********************


物の環境を整える場合、
つい、新しい活動やおもちゃを出したくなりますが
その前に、今ある物を整理することが必要です。

具体的には

①何を②どのように 置くか

を考え直していきます。



①何を置くか

子どもを客観的に観察していると
毎日、もしくは1日に何度も繰り返すものと、
ちょっとさわってみて、すぐやめるものがあることに気づきます。


子どもがより集中する環境を作るには
「繰り返すもの」
だけにしぼって、
あとはいったん、子どもの目に見えないところに片づけてしまうことをオススメします。


物が多すぎると、
小さな子どもの興味は次から次に逸れていって
1つのことに集中しにくくなる傾向があるからです。

そして部屋もすぐ散らかります。^^;


置く物の種類・点数をしぼることで
子どもが集中しやすくなるだけでなく
片づけもラクになります。



質問者様のお子さんは、
車を並べることが好きということで
それはまず出しておきましょう♡

その他に、お子さんの好きな物、繰り返す物をセレクトして
目安としては、4〜6種類前後のおもちゃや活動にしぼります。


ちなみに、今まで見てきた子どもたちの傾向として

並べるのが好きな子どもは
レゴやソフトブロック、ドミノ積み木、
幾何図形マグネットなど
同じ形や色、質感のものを
並べる、積む、組み立てる
ということが好きなことが多かったので

もしかしたら、質問者様のお子さんも
このようなおもちゃが好きかもしれないな〜♡
などと想像しています。




(違ってたらごめんなさい、気にしないでください^^;

そしてもしこの時点で、
繰り返すおもちゃがそんなにないよ〜
という場合は
今まで見てきた子どもたちが好んだ活動を
あとで幾つか紹介しますので、ご参考までに…)


プラス、もし可能なら

子どもサイズの机・テーブルとイスが用意できると
この時期の子どもは喜んで座り、
そこで活動することをまた喜びます。


何なら最初のうちは、座る、立つ、また座ると、
「イスに座る」こと自体が繰り返す活動の1つにもなるくらい、
自分用の机とイスがあるということが嬉しいようです。


お安いものではないので、
絶対買って!とは言えませんが
もしご用意できるのであればぜひ♡
(リサイクルショップにあったらラッキー)

もしくは
こたつ机やちゃぶ台などのローテーブルと
その高さに合うイスだけでもあるといいな〜と思います。





②どう置くか


①で選んだ物を
活動別にカゴや容器に分けて
オープン棚に並べて置く

というスタイルがオススメです。


子どもがひと目見て
やりたいことを自分で選べるからです。

子どもが自分で選ぶ→繰り返すことが
集中につながっていくので
自己選択できる環境はとても大切。


おもちゃ箱に全部入っているスタイルをよく見かけますが
6歳以下、特に3歳以下の子どもにはオススメしません。


この時期の子どもは「秩序」が大好きだからです。


車なら車だけ、
ブロックならブロックだけ というように
種類別、用途別に物が置かれている
という秩序を、特に2歳前後の子どもは好みます。


この秩序がまた、子どもの心を落ち着かせてくれて
集中に導く手助けをしてくれます。



もし、おもちゃ箱に、ブロックも車もぬいぐるみも
ぜ〜んぶ、ごちゃまぜに入っていたら

子どもの秩序感は乱されて
どこか落ち着かなくなります。


そして、例えば「車が使いたい」と思っても
おもちゃ箱の中身を全部出して
車を探し当ててからでないと使えません。


その頃には、引っ張り出した物で部屋が散らかり
1つの物で集中して遊べる環境とは
程遠いものになっているのではないでしょうか。


たくさん出した分、
お片づけもたくさんになってしまいます。。。


オープン棚スタイルなら
幼い子どもでも、元に戻しやすいのがいいところ。





オープン棚がない場合、ムリに新調しなくても
カラーボックスを横置きにしたり
高い棚の下段だけを子どものおもちゃ用スペースにしたりと
今おうちにあるものを活用することができます。



①何を②どう置くか が定まったら
設置したあと、また子どもの様子を観察します。


飽きてきたもの、触らなくなったものが出てきたら
しまっておいた別のおもちゃと取り替えて
ローテーションしていくと
同じおもちゃでも、また新鮮な気持ちで遊べます。



******************



さて、一般的なおもちゃ以外にも
3歳前後の子どもが好む活動を
幾つかご紹介しておきますので
参考になればと思います。


①目と手の協応作業

手先・指先と目を使った作業が好きな子どもは多いです。


例1)洗濯ばさみ

カゴやトレーに、洗濯ばさみを10〜20個程入れて置きます。

今までの子どもたちは
洗濯ばさみどうしをはさんでつなげて
「へび〜♪」などと見立て遊びをしたり、
カゴに洗濯ばさみを、
色を分けるまたは交互にして、はさんで並べたりして楽しんでいました。


3本指でつまむ動きと、力の調整の練習になります。
近い将来、洗濯物を干すこともできるようになります。
もう少し先の、鉛筆や箸を持つ指の動きにもつながっています。



例2)フタの開け閉め

子どもサイズの空きビンやタッパー、ファスナーポーチやがま口などを、カゴの中に入れて置きます。

どのフタをどのように開けるか
というのを試行錯誤するのが楽しいようです。
また、フタと容器の組み合わせを考えるのも楽しそうでした。

瓶のフタをひねって開ける手首の動きは
蛇口をひねる動きや
おしぼりや雑巾をしぼる動きにもつながります。

(最近のおうちは上下させるタイプの水道が多いのですが
保育園や幼稚園、学校は昔ながらのひねるタイプの蛇口がまだまだ多いです)



例3)ハサミ

2歳前後の子どもの多くが、ハサミに強い興味を示します。


トレーに子ども用ハサミと紙を置いておきます。
最初は、一回で切れる幅の細長い紙を用意します。
切った紙を入れる封筒やビニール袋も、近くに置いておきます。


親指と、人差し指・中指の3本指の使い方、
力の加減、紙とハサミの向きなど
2歳の子には難しいポイントもけっこうあるのですが

その「少し難しい」ことが、子どもの心に火をつけるようです。


それまで他のお仕事には見向きもしなかったのに、
ハサミだけは夢中になって
そこから他のお仕事の楽しさに目覚めた子どももいました。
私にとってはハサミ様々です。

以前ご紹介したPAULの子ども用ハサミは、
2歳児の手のサイズにピッタリで←これがなかなかない!
かつ紙は切れても手は切れないので、
心の底からオススメします。めっちゃお世話になってます。


はさみに関しては、
持ち歩かない、人に向けない、座って使う、出してある紙以外のものは切らない
などのお約束を最初に伝えて
それを守れる場合のみ出すようにしています。
(少しでも危ない使い方をしていたら、即没収)


例4)シュレッダー

はさみは、大人がいるところでないと出せないかもしれないと思ったので
(でも子どもが好きな活動なので勢い余って紹介してしまいました)

手動のシュレッダーの活動も好きなことを思い出し、追記です。


ゴミ箱も近くに置いておきましょう。



②アート・感覚活動・自己表現活動


お絵描きや粘土、黒板、スタンプなどの創作活動です。


例1)お絵描き(クレヨン画)

蜜蝋クレヨン(全色ではなく3色くらい)と
画用紙、小さなマット(汚れ防止用)を
トレーの上にセットして置きます。

ちなみに、クレヨンは
紙を巻いたスティックタイプのものより
ブロック型のものをおすすめします。


スティックだと力加減が分からず折れてしまったり
巻いてある紙をはがしてしまったりするので。


例2)黒板

黒板とチョーク、黒板消しをセットで置きます。

この活動で使うチョークは、
貝殻でできたものなら安心です。



例3)粘土

子どもが開け閉めできるケースに粘土をいれて
粘土板と、型抜きや粘土を切る道具などを
セットで持ってこられるように置いておきます。



活動に必要なものを、セットで置いておくと
そのまま机に持って来る→活動→終わったらそのまま戻す
と、幼い子どもでも、選ぶところから元に戻すところまで自分でできるようになります


(紙以外には描かない、マットの上で行うなど、あらかじめのお約束が必要です。
これを守れない場合は出さないという制限も伝えます)



③日常生活の活動

これは、ひとりで完結するというよりは
親御さんと協力(コラボ)して行う活動になります。
なので、棚に置くというよりは、
子どもが見えるところに常備しておくイメージです。


例1)洗濯物を干す

子どもの手が届く高さに洗濯ピンチを吊るし
靴下やミニタオルなどを子どもに任せる。
(大人はその頭上で、大きなものを干す)



例2)拭き掃除・履き掃除

子どもサイズのはたき、ほうき、ちりとり、雑巾、
持ち手を短くした小さめのフロアワイパーで
大人と一緒に掃除できるようにしておく。



園では、保育士が掃除しているときに
「私もやりたい」と言ってきたら、
子どもサイズの掃除道具を渡して
(衛生面で問題なく)できる範囲で、一緒にやっています。

なぜかフロアワイパーが人気ですw



あくまでも、やらせるのではなく、
「やりたい!」ことを一緒にする というスタンスです。


そして3歳までの子どもはとても気まぐれなので
いきなり「もうやらない」と終わることもしょっちゅうです(笑)


そういうときは
使ったものだけ元に戻して
(もしくは雑巾などは洗濯かごに入れて)
また自分の遊びに戻れるようにしています。



例3)料理の一部を一緒にする


これ、いちばん高度なんじゃないかと
私なんかは感じてしまうのですが、
質問者様はすでに、できる範囲でされていて
ホントにすごいな〜と感じます。

ご質問のお返事でも、
後日卵の殻を割る、混ぜるなどを一緒に行ったとのことでした。

お子さんが参加したいときにいつでもできるよう
ステップが置いてあるとのことで、
すでに「子どもがやりたいときにできる」環境が
整えられているな〜
いいな〜
素敵だな〜
と感じました。


・レタスやキャベツをちぎる
・ゆで卵の殻をむく
ミニトマトやいちごのヘタをとる
・ゆでたじゃがいもやカボチャをつぶす
・お出汁用にぼしの頭とハラワタをとる


など、調理工程の一部を一緒に行うことができたら
大人の「今はご飯作りたい」と
子どもの欲求がうまく重なって
いい結果になるのではないかと思います。


これも、

子どもにはやりたいときとやりたくないときの差があること
毎回やりたいとは限らないこと

を念頭に置いて

でも子どもがやりたいと思ったらすぐ参加できるようにしておく
断られてもまた違う活動内容で誘ってみる



くらいの軽い気持ちでいいと思います。


繰り返しではないので、
集中には至らないかもしれませんが

親御さんと一緒に調理した体験
作ったお料理を一緒に食べた体験

は必ず子どもの中によいものとして残ります。


よいものとは、具体的には
自己尊重感や自己への信頼感、自信、他者への貢献心などです。


親御さんの思惑と子どものやりたいことが一致する
という大人側のメリットの中で
子どもの育ちに大切なことも育まれるなんて、
一石二鳥も三鳥もオトクな(?)感じなので
できる範囲で、続けて頂けるといいのかなと思います。



というわけで、
今回は「物の環境を変える」お話でした。


ここにもうひとつ、
人の環境=大人の接し方を見直す
というところまで考えられると
子どもの集中にグンと近づくので
次回はその話です!
長くなってスミマセン!(いつもだな)




子育てのお悩み、ご質問など、引き続き募集しています☆
montessorilover.hatenadiary.jp

Q. 子どもが集中する活動を見つけるには ①観察のしかたで違う子どもの姿が見えてくる

【2歳3か月 男の子 お仕事(活動)に集中しません】

うちの子は集中力がないのかなと感じています。

何をするにも
「ママ、いっしょしよう」
と誘ってきて
すぐに「ママやって」と投げてきます。

好きなのは木製の車のおもちゃですが、
並べたあとは「ママ~」とお呼びがかかります。

保育園から帰ってきて甘えたいのかな
とも思うのですが、
なかなか手を割けず、
早く寝かしつけたいと焦って
あまり相手をしてあげられていません。

30分くらい一緒に遊ぶと
その後のスケジュールがおしてしまい、
息子が寝る時間が遅くなってしまいます。

(しかも、私が積み木をつんでいると、
 かたっぱしから壊してきて楽しくありません。泣)


おもちゃではなく本物がいいと聞いたので、
料理はどうかと、しめじとキャベツをちぎってもらいました。
エプロンつける!と張り切っていた割に、
おもしろく感じなかったのか
翌日もやる?と誘うと「しない」と言ってやらず。

(私としては助かりましたし、楽しく感じました。
 苦手なしめじもキャベツも食べてくれて、
 台所育児いいかも!と)

こちらが料理をしていると
「ママ!いっしょ遊ぼう」と誘ってきて、
家事がはかどりません。。


子どもの手に合う道具、ということで、
小さなフローリングワイパーも
目に付くところに置いてあります。

私が大人用のワイパーですると、
本人も少しするのですが、
その後はなぜか私に
「ここも、こっちも」と指示する係になり・・・
(私がそう言いながら教えたからか)

生活道具の使い方を黙って見せて教えようとしても、
ちっとも見ずに「〇〇ちゃんもする!」とすぐやりたがり、
少しできないと「ママして!」と言ってきます。
私もそこで「〇〇ちゃんやってみて」と返すので
お互いにだんだん険悪な感じになってしまいます。。

息子は省エネタイプで、
飽き性なのではないかと思ってしまいます。
(動きたい時期にそれはないとも思いつつ)


私の提供するものが、
ピントがずれている感があるのですが、
どんぴしゃではまるお仕事や生活訓練が見つからず、
集中現象も見たことがありません。

いま、私がさせようとしていることが、
ただ息子のやりたいことから
乖離しているだけなのでしょうか。
観察の仕方がいまいち分かりません。


私自身、根気も集中力もなく、
手先も不器用な方なので、
息子には、やり遂げる癖と器用な手を
手に入れてほしいと思うのですが、
いかんせん、親の私がこれなので
どう導けばいいのかが
いまいち理解できていない気がします。

とりとめのない内容になってしまいましたが、
どうか、迷える子羊に
ヒントをお願いいたします。


*******************


「子どもが集中しない」
という質問者様のお悩み、モヤモヤは

「家事の間は、ひとりで集中して遊んでくれたらラクなのに」
という親御さんの立場からのご希望と

「将来、1つのことをやり遂げる子どもに育ってほしい」
という、お子さんを思うが故のご要望との
2つから来ていると、ご質問を拝読して感じました。


子どもが、何に興味を持ち、
どんなことに集中するのか。


その答えは、いつも子どもの中にある。


というのが、モンテッソーリを含む、
こどものための教育の基本的な考え方です。


私たち大人ができるのは、
子どもを観察して
子どもに合う環境を整えること。


と、さらっと書いてはみたものの
実は「観察」だけでも
意外と難しいです。


ど〜〜〜〜〜しても
「主観」が入ってしまうから。


子どものありのままの姿を知るには、
子どもを「客観的に」観察することが
まず必要になってきます。


というわけで今回は
観察のしかたについてお答えします。

(大人の接し方を含む「環境の整え方」については
 次の記事でお答えさせて頂きます)



【観察について】


例えば、子どもが泣いたときに、
私たち大人は様々な原因を想像し、
思いを巡らせます。


・眠いのかな?
・お腹空いた?でもご飯からそんなに時間たってないし…
・機嫌が悪いのかな
・オムツ濡れてる?
・どこか痛いのかな。ぶつけた?
・周りの人に言われた/されたことがイヤだったのかな

などと、泣いている原因を探します。


もしくは、

・今この状況で泣かれるととっても困る!!!

と、泣いている原因を探す余裕もなく
泣き止ませること、泣かせないことに
必死になる場合も多々あります。


そして実際に抱っこしたり、オムツを換えたり、何か食べさせたり、接し方を変えてみたり、
いろいろいろいろ思考錯誤して、
泣き止んだら一息つく、

ということを、
子どもの周りにいる大人は
日々の生活の中で
時に無意識のうちに
繰り返し行っています。


この一連の流れの中で、
大人が思いを巡らし、
考えたり感じたりする部分は全て
「主観」です。


子どもが泣いたこと
その前後に起こったこと
子どもが泣き止んだこと

だけが「客観的事実」です。


子どもを客観的に見る
というのは、
見えている「事実」「事象」だけを集めること。

その集めた事実のデータから、
行動の原因と結果、
その子の傾向などを考察する
というのが客観的観察のしかたです。


国際コースで教わった観察のしかたでは

・客観的事実と自分の主観を分けてメモすること
・見るポイント(身体全体の動き、手や指の動き、言葉、表情、食事、睡眠など)

がレクチャーされ
250時間の観察時間の中で、客観的観察をトレーニングします。


もちろん、普段の生活で
このような客観的観察を
ずっとしているわけにはいきません。

親子の関係に限らず、人は皆、
それぞれの主観、価値観を持ち
しなければならないこと
したいこと/したくないこと
してほしいこと/してほしくないこと
を持ち寄って共同生活しています。


ただ、
「この子は何に集中するんだろう」
ということを探すときだけは
自分の思いや主観をいったん脇に置いて
その子を客観的に見る必要があります。


自分が子どもに呼ばれて、
子どもと関わっている間も
もしくは、家事や自分のことをしながらでも

少し引いた目で、自分の思いを置いておいて
客観的に子どもを見ようとするだけで
少し違う事柄が見えてきます。



質問者様のご質問の中から抜粋させていただくと

・お母さんから調理活動に誘われた
・「エプロンつける!」(と着けた)
・キャベツとしめじをちぎった
・調理したキャベツとしめじを食べた
(その前まではあまり食べなかった)
・次の日も調理に誘われた
・「しない」と返した

あたりが、子どもの客観的事実です。


その間の

・はりきってエプロンを着けた(ように見えた)
・私的には助かったし、楽しかった
・苦手な食材も食べてくれて、台所育児いいかも!
・(次の日誘っても断られ)面白くなかったのか

というのは、すべて質問者様の主観になります。


上記の客観的データから、
環境を整える=別の活動を探すフェーズにうつるのですが
このデータだけだと少し足りないかもしれません。


・キャベツとしめじをちぎる手の動き、
 その時の表情、
 活動を続けた時間
・次の日に誘ったときの表情、
 その前に子どもがしていたこと


などの客観的事実がさらに必要になってきます。


それらの客観的データから

・昨日の活動にはもう満足したのかも
→活動内容を変えて誘う

・誘ったときにしていたことが楽しかったから
「しない」と言われたのかも
→タイミングを変えて誘う

・誘った内容が魅力的ではなかったのかも
→活動内容を変える

・「する?」と聞いたから「しない」と返したのかも
(イヤイヤ期あるある)
→「キャベツとしめじ、どっちをちぎる?」と誘い文句を変える



などと考察し、試行錯誤を繰り返す
というのを、私たちモンテッソーリ教師は
毎日繰り返しています。


言い方は大げさかもしれませんが

100試行錯誤して、
1つでも夢中になるものが見つかればラッキー!
10の試行錯誤で見つかったらもっとラッキー!!

くらいの気持ちでいます。



様々なことに興味がある
(その分、移り気も激しい)
タイプのお子さんもいれば、 

1つのことばかり繰り返す
(その分、他のことに興味は移りにくい)
タイプのお子さんもいます。


でもどちらのタイプにせよ
「その子が何に集中するかは
 その子の中に答えがある」
という基本的な考え方は変わりません。


そして、一度ハマった活動をどのくらい繰り返すのか
その活動にどのくらい深く集中するのか
ということも、その子の中にしか答えがありません。


それを見つけるには
「これをしてほしい」「ハマってほしい」
という大人側の思いも含めた主観を
いったん脇に置いておく客観的観察が
やっぱり大切なのです。



ここまでのまとめ:

子どもが集中できる活動を見つけるには
まず客観的観察が必要。
そのためには大人の
「集中してほしい」という思いも含め
主観を一度、横に置くこと。



で、これだけだと(充分長いのに)
質問者様のご質問のお答えの一部にしかならないので
次の記事で、大人の接し方を含めた環境の整え方について書きます。
(できれば今年中に…いやまたぐかな…)


その前に取り急ぎ!

大人が子どもの遊びや活動につきあえない、時間をさけないということに
罪悪感を持ち過ぎないでください。

お子さんから呼ばれたら
「お母さん今ご飯作ってるから行けないんだ〜」
とサラリと流して大丈夫です!

お子さんが、自分のしたいことがあるように
親御さんも今自分のしたいことがある
ということを日々の生活から学んでいくのも、
お子さんにとって必要なことです。

親御さんが「今はできない」と言ったときに
どのような反応をするかということも含めて
少し引いた目で観察してみて下さい。


なるべく早く次の記事書きます〜(答えの半分もかけてなくて私がもどかしいので)