モンテッソーリloverのブログ

モンテッソーリ大好き教師の綴りごとです。AMI認定 国際モンテッソーリ教師0-3歳、3-6歳ディプロマ取得。

子どもが集中するには ②物の環境を変える

やっぱり年越しました…すみません。

明けましてもうだいぶ経ちますが、
2019年もどうぞよろしくお願い致します。


さて、前回の続きです。
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子どもが活動に集中するにはどうすればいいか
ということで、

まずは子どもを客観的に観察
→そのデータをもとに
子どもに合う環境を整える


前回の観察に引き続き
今回は環境の話です。


と、その前に

質問者様からお返事頂きました。
(ありがとうございます!)

「親の都合で『集中してほしい』と思っていたことが恥ずかしい」

とのことでしたが、

申し訳ありません、責める意図は全くなく、
ご質問の文章から分析したことを、
冷静に淡々と書くように努めた結果が
前回の記事です。

淡々としすぎて、どこか突き放したような
冷たい印象を受けられたかもしれません。失礼しました。


いろいろエラそうに書いている私も
職場(保育園)ではいまだに

「今は子どもが落ち着いてるから、あっちの掃除ができるかも!」
(と思った瞬間にトラブル勃発、手が離せなくなる)

とか、

「全員が寝ている間に書類仕事を〜!」
(と躍起になっているときに限って誰かが泣いて起きて全然進まない)

みたいなこと、しょっちゅうです。
子どもがそばにいたら、大人の思惑通りには事が運ばないのが常です。ハッハッハ(半ば諦めの境地)



だから、お子さんを保育園に預けている親御さんが
お迎え後のいちばんバタバタした(しかもお仕事で疲れている)ときに

「ご飯作らなきゃいけないから、ひとりで遊んでて〜!!!」

と思うのは至極当たり前というか、
むしろ共感しかないです。


だけど、子どもが
自分たち大人とは異なる
ひとりの人としての存在であることもまた確かです。
こちらの思うようにいかないのも
当たり前といえば当たり前。


だからこそ、モンテッソーリのお知恵を拝借して、
(言い方は悪いかもしれませんが)こちらの思惑と、
子どものやりたいことがうまく重なるような方法
またはそのヒントを探し出せないかな〜
と常日頃感じているわけです。


特に、モンテッソーリには
大人から子どもへの直接的・対処療法的な働きかけ以外の

「物の環境を変える」
という、間接的かつ根本的な改善にあたる部分も含まれているので
これを子育てに生かさない手はない、というのが私の考えです。


で、前置き長くなりましたが、
今回はその、「物の環境」のお話です。



********************


物の環境を整える場合、
つい、新しい活動やおもちゃを出したくなりますが
その前に、今ある物を整理することが必要です。

具体的には

①何を②どのように 置くか

を考え直していきます。



①何を置くか

子どもを客観的に観察していると
毎日、もしくは1日に何度も繰り返すものと、
ちょっとさわってみて、すぐやめるものがあることに気づきます。


子どもがより集中する環境を作るには
「繰り返すもの」
だけにしぼって、
あとはいったん、子どもの目に見えないところに片づけてしまうことをオススメします。


物が多すぎると、
小さな子どもの興味は次から次に逸れていって
1つのことに集中しにくくなる傾向があるからです。

そして部屋もすぐ散らかります。^^;


置く物の種類・点数をしぼることで
子どもが集中しやすくなるだけでなく
片づけもラクになります。



質問者様のお子さんは、
車を並べることが好きということで
それはまず出しておきましょう♡

その他に、お子さんの好きな物、繰り返す物をセレクトして
目安としては、4〜6種類前後のおもちゃや活動にしぼります。


ちなみに、今まで見てきた子どもたちの傾向として

並べるのが好きな子どもは
レゴやソフトブロック、ドミノ積み木、
幾何図形マグネットなど
同じ形や色、質感のものを
並べる、積む、組み立てる
ということが好きなことが多かったので

もしかしたら、質問者様のお子さんも
このようなおもちゃが好きかもしれないな〜♡
などと想像しています。




(違ってたらごめんなさい、気にしないでください^^;

そしてもしこの時点で、
繰り返すおもちゃがそんなにないよ〜
という場合は
今まで見てきた子どもたちが好んだ活動を
あとで幾つか紹介しますので、ご参考までに…)


プラス、もし可能なら

子どもサイズの机・テーブルとイスが用意できると
この時期の子どもは喜んで座り、
そこで活動することをまた喜びます。


何なら最初のうちは、座る、立つ、また座ると、
「イスに座る」こと自体が繰り返す活動の1つにもなるくらい、
自分用の机とイスがあるということが嬉しいようです。


お安いものではないので、
絶対買って!とは言えませんが
もしご用意できるのであればぜひ♡
(リサイクルショップにあったらラッキー)

もしくは
こたつ机やちゃぶ台などのローテーブルと
その高さに合うイスだけでもあるといいな〜と思います。





②どう置くか


①で選んだ物を
活動別にカゴや容器に分けて
オープン棚に並べて置く

というスタイルがオススメです。


子どもがひと目見て
やりたいことを自分で選べるからです。

子どもが自分で選ぶ→繰り返すことが
集中につながっていくので
自己選択できる環境はとても大切。


おもちゃ箱に全部入っているスタイルをよく見かけますが
6歳以下、特に3歳以下の子どもにはオススメしません。


この時期の子どもは「秩序」が大好きだからです。


車なら車だけ、
ブロックならブロックだけ というように
種類別、用途別に物が置かれている
という秩序を、特に2歳前後の子どもは好みます。


この秩序がまた、子どもの心を落ち着かせてくれて
集中に導く手助けをしてくれます。



もし、おもちゃ箱に、ブロックも車もぬいぐるみも
ぜ〜んぶ、ごちゃまぜに入っていたら

子どもの秩序感は乱されて
どこか落ち着かなくなります。


そして、例えば「車が使いたい」と思っても
おもちゃ箱の中身を全部出して
車を探し当ててからでないと使えません。


その頃には、引っ張り出した物で部屋が散らかり
1つの物で集中して遊べる環境とは
程遠いものになっているのではないでしょうか。


たくさん出した分、
お片づけもたくさんになってしまいます。。。


オープン棚スタイルなら
幼い子どもでも、元に戻しやすいのがいいところ。





オープン棚がない場合、ムリに新調しなくても
カラーボックスを横置きにしたり
高い棚の下段だけを子どものおもちゃ用スペースにしたりと
今おうちにあるものを活用することができます。



①何を②どう置くか が定まったら
設置したあと、また子どもの様子を観察します。


飽きてきたもの、触らなくなったものが出てきたら
しまっておいた別のおもちゃと取り替えて
ローテーションしていくと
同じおもちゃでも、また新鮮な気持ちで遊べます。



******************



さて、一般的なおもちゃ以外にも
3歳前後の子どもが好む活動を
幾つかご紹介しておきますので
参考になればと思います。


①目と手の協応作業

手先・指先と目を使った作業が好きな子どもは多いです。


例1)洗濯ばさみ

カゴやトレーに、洗濯ばさみを10〜20個程入れて置きます。

今までの子どもたちは
洗濯ばさみどうしをはさんでつなげて
「へび〜♪」などと見立て遊びをしたり、
カゴに洗濯ばさみを、
色を分けるまたは交互にして、はさんで並べたりして楽しんでいました。


3本指でつまむ動きと、力の調整の練習になります。
近い将来、洗濯物を干すこともできるようになります。
もう少し先の、鉛筆や箸を持つ指の動きにもつながっています。



例2)フタの開け閉め

子どもサイズの空きビンやタッパー、ファスナーポーチやがま口などを、カゴの中に入れて置きます。

どのフタをどのように開けるか
というのを試行錯誤するのが楽しいようです。
また、フタと容器の組み合わせを考えるのも楽しそうでした。

瓶のフタをひねって開ける手首の動きは
蛇口をひねる動きや
おしぼりや雑巾をしぼる動きにもつながります。

(最近のおうちは上下させるタイプの水道が多いのですが
保育園や幼稚園、学校は昔ながらのひねるタイプの蛇口がまだまだ多いです)



例3)ハサミ

2歳前後の子どもの多くが、ハサミに強い興味を示します。


トレーに子ども用ハサミと紙を置いておきます。
最初は、一回で切れる幅の細長い紙を用意します。
切った紙を入れる封筒やビニール袋も、近くに置いておきます。


親指と、人差し指・中指の3本指の使い方、
力の加減、紙とハサミの向きなど
2歳の子には難しいポイントもけっこうあるのですが

その「少し難しい」ことが、子どもの心に火をつけるようです。


それまで他のお仕事には見向きもしなかったのに、
ハサミだけは夢中になって
そこから他のお仕事の楽しさに目覚めた子どももいました。
私にとってはハサミ様々です。

以前ご紹介したPAULの子ども用ハサミは、
2歳児の手のサイズにピッタリで←これがなかなかない!
かつ紙は切れても手は切れないので、
心の底からオススメします。めっちゃお世話になってます。


はさみに関しては、
持ち歩かない、人に向けない、座って使う、出してある紙以外のものは切らない
などのお約束を最初に伝えて
それを守れる場合のみ出すようにしています。
(少しでも危ない使い方をしていたら、即没収)


例4)シュレッダー

はさみは、大人がいるところでないと出せないかもしれないと思ったので
(でも子どもが好きな活動なので勢い余って紹介してしまいました)

手動のシュレッダーの活動も好きなことを思い出し、追記です。


ゴミ箱も近くに置いておきましょう。



②アート・感覚活動・自己表現活動


お絵描きや粘土、黒板、スタンプなどの創作活動です。


例1)お絵描き(クレヨン画)

蜜蝋クレヨン(全色ではなく3色くらい)と
画用紙、小さなマット(汚れ防止用)を
トレーの上にセットして置きます。

ちなみに、クレヨンは
紙を巻いたスティックタイプのものより
ブロック型のものをおすすめします。


スティックだと力加減が分からず折れてしまったり
巻いてある紙をはがしてしまったりするので。


例2)黒板

黒板とチョーク、黒板消しをセットで置きます。

この活動で使うチョークは、
貝殻でできたものなら安心です。



例3)粘土

子どもが開け閉めできるケースに粘土をいれて
粘土板と、型抜きや粘土を切る道具などを
セットで持ってこられるように置いておきます。



活動に必要なものを、セットで置いておくと
そのまま机に持って来る→活動→終わったらそのまま戻す
と、幼い子どもでも、選ぶところから元に戻すところまで自分でできるようになります


(紙以外には描かない、マットの上で行うなど、あらかじめのお約束が必要です。
これを守れない場合は出さないという制限も伝えます)



③日常生活の活動

これは、ひとりで完結するというよりは
親御さんと協力(コラボ)して行う活動になります。
なので、棚に置くというよりは、
子どもが見えるところに常備しておくイメージです。


例1)洗濯物を干す

子どもの手が届く高さに洗濯ピンチを吊るし
靴下やミニタオルなどを子どもに任せる。
(大人はその頭上で、大きなものを干す)



例2)拭き掃除・履き掃除

子どもサイズのはたき、ほうき、ちりとり、雑巾、
持ち手を短くした小さめのフロアワイパーで
大人と一緒に掃除できるようにしておく。



園では、保育士が掃除しているときに
「私もやりたい」と言ってきたら、
子どもサイズの掃除道具を渡して
(衛生面で問題なく)できる範囲で、一緒にやっています。

なぜかフロアワイパーが人気ですw



あくまでも、やらせるのではなく、
「やりたい!」ことを一緒にする というスタンスです。


そして3歳までの子どもはとても気まぐれなので
いきなり「もうやらない」と終わることもしょっちゅうです(笑)


そういうときは
使ったものだけ元に戻して
(もしくは雑巾などは洗濯かごに入れて)
また自分の遊びに戻れるようにしています。



例3)料理の一部を一緒にする


これ、いちばん高度なんじゃないかと
私なんかは感じてしまうのですが、
質問者様はすでに、できる範囲でされていて
ホントにすごいな〜と感じます。

ご質問のお返事でも、
後日卵の殻を割る、混ぜるなどを一緒に行ったとのことでした。

お子さんが参加したいときにいつでもできるよう
ステップが置いてあるとのことで、
すでに「子どもがやりたいときにできる」環境が
整えられているな〜
いいな〜
素敵だな〜
と感じました。


・レタスやキャベツをちぎる
・ゆで卵の殻をむく
ミニトマトやいちごのヘタをとる
・ゆでたじゃがいもやカボチャをつぶす
・お出汁用にぼしの頭とハラワタをとる


など、調理工程の一部を一緒に行うことができたら
大人の「今はご飯作りたい」と
子どもの欲求がうまく重なって
いい結果になるのではないかと思います。


これも、

子どもにはやりたいときとやりたくないときの差があること
毎回やりたいとは限らないこと

を念頭に置いて

でも子どもがやりたいと思ったらすぐ参加できるようにしておく
断られてもまた違う活動内容で誘ってみる



くらいの軽い気持ちでいいと思います。


繰り返しではないので、
集中には至らないかもしれませんが

親御さんと一緒に調理した体験
作ったお料理を一緒に食べた体験

は必ず子どもの中によいものとして残ります。


よいものとは、具体的には
自己尊重感や自己への信頼感、自信、他者への貢献心などです。


親御さんの思惑と子どものやりたいことが一致する
という大人側のメリットの中で
子どもの育ちに大切なことも育まれるなんて、
一石二鳥も三鳥もオトクな(?)感じなので
できる範囲で、続けて頂けるといいのかなと思います。



というわけで、
今回は「物の環境を変える」お話でした。


ここにもうひとつ、
人の環境=大人の接し方を見直す
というところまで考えられると
子どもの集中にグンと近づくので
次回はその話です!
長くなってスミマセン!(いつもだな)




子育てのお悩み、ご質問など、引き続き募集しています☆
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