モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

3,4,5歳児クラスの身支度

なかなかブログが更新できなくなってきた…すみません。

前回の1,2歳児の身支度に続き、3,4,5歳児の身支度の環境をお伝えします。

写真があげられないのですが、基本は1,2歳児とほぼ同じです。

・コップ袋(の中のコップ、歯ブラシ)
・給食袋
・タオル

を決まった場所に置くというのは。


で、どこが違うかというと、

ひとつは着替えが自己管理になること。
持ってきた衣服は、ロッカーにかけたお着替え袋に自分で入れます。汚れ物は着替えたあとビニール袋に入れて自分で持って帰ります。


もうひとつの違いは、移動距離。


3歳児(年少さん)は、
リュックをロッカー近くの椅子におき、
ロッカーから【数m】離れたところにある給食袋入れと、
その棚の上に置かれた
タオル入れ、コップ入れ、歯ブラシ入れ、コップ袋入れに
それぞれの物を入れます。
そして空になったリュックをロッカーにかけて、完了。(あとは先生が運びます)


4,5歳児(年中さん、年長さん)は
給食袋入れは同じ場所ですが
タオルかけ、コップ置き場、歯ブラシ入れ、コップ袋入れは
そこから【もう数m】離れた洗面所にあります。
タオル、コップ袋(の中のコップと歯ブラシ)は洗面所まで運んで、それぞれの場所に置きます。
そしてリュックをかけて完了。


この【数m】の移動距離、
大人から見たらほんの少しの差なんですが
子どもには大きいんです。
「一定時間で集中して身支度を終わらせる」には。


移動途中、子どもが目にするのは
魅力的な活動の道具や、それを使って活動を始めているお友だちの姿です。

年齢が小さいほど、その魅力的なものの前で止まってしまい、今自分が何をしようとしているか、忘れてしまいがち。
結果、自分の身支度がなかなか終わらせられません。そうすると、活動の時間も短くなってしまいます。

「支度が終わったらやろうね」

と根気よく声をかけ続けながら
先生たちも子どもの身支度をサポートすると同時に
置き場所という物の環境も、子どもの発達に合わせて
「自分で身支度を終えられる」よう設定しています。

そのため、年少さんの最初の頃は
置き場所をある程度固めてあります。

年中さんからは、それまでの経験で
「身支度が終わったらやりたい活動ができる」
ことが分かっているので、
途中、あまり道草を食わずに身支度を終わらせることができます。
なので、ロッカーから離れた洗面所にも最初から自分で置きにいけます。

年少さんも様子を見て、慣れてきたら本来の場所に置きに行くように変えていきます。


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子どもの発達に合わせて、
環境に少しずつ変化をつけて
難易度をあげていく。

モンテッソーリの楽しさのひとつであり、
身支度だけでなく生活のいろいろなところで応用できることでもあります。


あかね以外の環境に身をおいたことで、
当たり前だと思っていた環境が
実はよく考えられていたんだなぁということがよく分かります。


身支度を始め、自分のことを自分でするというのは
自分のことに責任を持つことにもつながります。

よく、忘れ物をした子が
「ママが入れるの忘れたの!」
と怒っていて
「ママのせいじゃないでしょ、幼児さんは自分でリュックに入れるんでしょ」
とたしなめられていたのを思い出します。

その日に必要なものを、自分で考えて自分で用意する。忘れ物をして困るのは自分。そこにもちゃんと責任を持つ。
大人になっても地味に毎日必要なことですね。と忘れ物女王の私が書いてみる…



さて、5月に入り、子どもたちも園の生活に少しずつ慣れてきています。
そうすると、子どもの人間関係にも変化が出てきて、物の取り合いや言い争い、ケンカも起こるようになってきます。

この子どもどうしのトラブルにおいて、大人はどうあればいいか、というのもあかねでいろいろ教えて頂きました。ので次回からは数回に分けてその話を。