モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

おとなしい子どもへの対応 トラブル編

子どもどうしがトラブルになると
大まかに2つのタイプに分かれます。

①もともと持っているパワーが強いタイプ

噛む、押す、叩くなど、暴力的な行動に出る、
大声や怖い態度で相手を威圧する
力ずくで相手のものを奪い取る、など


②どちらかというと弱いタイプ

手は出さないが、ただひたすら泣き続ける、
いつも気持ちをおし殺して我慢してしまう、
貝のように無言になってしまう、など


で、大人の目が行きがちなのは
①強いタイプの子どもです。
なぜかというと、行動が悪目立ちするから。

もちろん困った行為には
然るべき対応が必要なんですが

目立たない、見過ごされがちな
②弱いタイプの子どもにも
必要とされる対応があるんです。


①の子どもも②の子どもも

言葉以外の方法で気持ちを表している

点では共通です。
その方法が真逆なので、見た目が真逆なんですが。


つまり

気持ちを言葉で伝える練習

が、この相反するタイプの子どもに共通して必要なことです。


弱いタイプの子どもとこの練習をする場合
私は特に
「気持ちに寄り添う」「無理強いをしない」
ことを心がけています。

例えば
使っていたものを取られてしまって泣いている子どもには

「『取らないで』って言うんだよ」

と、乱暴な子どもの時と同様
気持ちを言葉に出すということを伝えていくんですが、
これができれば最初から泣かずにすんでいるはず。


まずは

「取られてイヤだったね」

とその時点での子どもの気持ちを代弁します。
この時点で泣き止み、落ち着く子どもが多いです。

落ち着いて話を聞けるようになったら

「『取らないで』って言っていいんだよ」

と伝えます。
必要な時は

「一緒に言いに行く?」

と付き添うことも。


これを何度も何度も繰り返して
ある日この子(仮にAちゃんとします)が
「取らないで!」
と言っている場面を見かけたら

相手の子に
「Aちゃんが、『取らないで』って言ってるよ」
と仲介に入ります。

これは、相手の子どもに
「取らないでって言っているのに
ムリヤリ取っていいんだっけ?」
と自分の行動の善し悪しを確認させるとともに

Aちゃんが気持ちを言葉で伝えていることは
おかしいことじゃないんだよ、
Aちゃんもイヤなことはイヤと言う権利、
言葉で気持ちを表す権利がある
んだよ
それはみんな同じだよ

ということをAちゃん(や周りで見ている子ども)に伝える意味合いがあります。


トラブルの中で
気持ちを言葉で表す、伝える練習を積み重ねていくと
弱いタイプだった子どもも、
自分の主張をきちんと言葉で表せるように、少しずつなってきます。

こちらが心がけていれば
冷静に」言葉で伝えることもできるようになります。


子どもに、というか人間にとって
生きていくために必要なスキルとして

感情的になりすぎずに
自分の気持ちを言葉で相手に伝える
というのはとてもとても大切なこと。

大人になった今、特にそれを感じます。

それは大人になったからできるということではなく
小さなころからの、小さな体験の積み重ねでのみ
育ってくるものだとも感じます。



気持ちを言葉で表す練習は
乱暴なタイプの子どもにも
おとなしいタイプの子どもにも
どちらにも必要なこと。

そして最終的に
子どもどうしで、言葉で解決できるよう
導き続けるのが大人の役目だと考えています。