モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

感覚の敏感期 0~2歳半、2歳半~5歳半

「手を使う旬の時期」でもさらっと出てきている
【感覚の敏感期】の話をしていなかったので、
ま~今さら感満載ですが、書きます。笑


感覚の敏感期は、五感が敏感になる時期です。
(そのまんまやないか)

感覚器→脳→随意筋
の3点セットの、感覚器が敏感になります。

0~2歳半の、無意識に吸収する時期

2歳半~5歳半の、意識的に吸収する時期
で、特徴が異なります。

0~2歳半:感覚の印象を味わい、溜め込む
2歳半~5歳半:溜め込んだ印象を整理する

なんのこっちゃ、という感じなので
あかねの思い出と母の子育て談から、
感覚の敏感期ならではの子どもの行動例をいくつか挙げてみます。


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・触覚(手、皮膚)
弟が2歳の頃。

(あれ、やけに静かだな…何してるんだろ)
と様子を見に行くと
母のストッキングに手を突っ込んでぽーっと恍惚の表情を浮かべており、将来を割と本気で心配したとのこと(母談)


ストッキングをはいている人の足を触りまくる小さな子どもの話、弟以外でもよく聞くんですが、

0~2歳半頃の
「感覚器を通して得られた印象を味わい、
 溜め込んでいる行動」
だと思われます。

何でも触る、何度も触る のはこのためです。

スーパーで、野菜だろうが果物だろうが肉魚冷凍食品、とにかく何でも触ろうとしませんか。


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2歳半過ぎた頃から、
「印象を整理する行動」
が見られます。

具体的には

・感覚を比べる
・同じものを見つける
・一対一対応のものを見つける
・グループ分けする
・順番に並べる

など。
さらに具体的には、こんな感じ。

・嗅覚(鼻)
あかねのお部屋に名前のない靴下が落ちていて
子どもたちに誰のか聞いて回っていたら、
年中さんの男の子Aくんが
「ちょっと貸して、」
と靴下を手に取り、おもむろににおいを嗅ぎ(!)
「あ、Bくんのにおいだ!
Bく~ん、(と持っていく)」
→そして正解。ええええええ 笑 

Aくんの嗅覚の敏感さにもビックリだけど、
持ち主を探すのに、においを嗅ぐ(しかも靴下!)
という発想が斬新過ぎて驚く…笑

匂いと人の「一対一対応」を見つけた例。

いやしかし30人クラスで30通りの匂いからピタリと当てるって、やっぱりすごいな。


・聴覚(耳)
車のエンジン音で誰のお迎えか当てっこする年少~年長さんたち。
的中率高し。

音と物(車)の一対一対応(以下略


・視覚(目)
「ねぇ、見て見て!
これ(自分の服の色)とこれ(私の服の色)、
おんなじ!」

とお目目キラキラ、非常に嬉しそうに教えてくれた友人のお子さん、3歳ちょうど。

「ほんとだ、同じだねぇ」

と返すと、さらに嬉しそうな笑顔を浮かべてルンルン(死語)で去っていきました。

そのあとも「これとこれもおんなじ!」と逐一報告に来てくれた彼女。

感覚的に同じもの(この場合は色)を見つけた例。

この見つけたことをいちいち報告にくるのは、

彼女にとって「おんなじ!」は新発見のことで
その新発見に対する溢れ出る感動を
他の人ともシェアしたい気持ちが溢れ出た

が故の行動です。


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0~6歳全体を通して
感覚を言葉と結びつけ、整理します。


・味覚(舌)
別の友達のお子さん(4歳)が、
一緒にざらめのついたおせんべいを食べた際、私が
「あまじょっぱいねぇ」
と呟いたのを聞き逃さず、
「あまじょっぱい…?」←おそらくはじめて聞いたであろう反応

一口食べて、
「…あまじょっぱい。」
もう一口食べて
「あまじょっぱい!」

食べては「あまじょっぱい!」と繰り返す姿に、
その子の中で感覚と言葉が結びついた瞬間が見えました。


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そもそも何で、0~6歳で感覚が敏感になるのか。
これは

【感覚器官が6歳頃までにほぼ完成する】

ことと大きく関係しています。

「完成するまでに、
より多く感覚を使い、
より鋭敏にしておきたい」

という身体の要求が
上記のような子どもの行動に現れます。

この時期の子どもたちが
水遊び、砂遊び、泥遊びが大好きなのは
感覚、特に触覚をフルに使えるからかな、と。
(触覚の中にも、手触りや温度の感覚、重さの感覚、立体を識別する感覚などがあり、これ全部使えるのが上記遊び)


このように、この時期の子どもには
目や手や鼻、口、耳を思う存分使って
感覚を楽しみ、味わえる
【環境と時間】が必要です。

(もちろん常識の範囲内で、です。
スーパーで何でも手当たり次第さわっていいということではありません、念のため。
スーパーでの対処法は次回必ず、笑)


感覚器→脳→随意筋 の3点セットの
【感覚器】が鋭敏になるということは
脳に入力される情報か、より正確に、より多くなる
ことに繋がります。

その正確で多量の情報を処理する脳も
脳から指令を与えられる随意筋も
一緒に発達します。

特に「手」は、感覚器でもあり随意筋でもあるので
使えば使うほど3点セットで発達します。

この時期の「感覚」が、次の小学校時代の「知性」の土台となります。


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重ねて、味わった感覚と言葉が結びつく体験も必要です。
言語の敏感期でもある0~6歳は特に。
(ってあぁ、また新しいキーワードが…)

感覚と言葉が結びつく体験が多いほど
想像力や共感力が豊かになり、創造性も発達します。

ここらへんも、言語の敏感期と絡めて別で詳しく書きます。(スーパーの次かな…どうかな…)


まとめ:
感覚の敏感期=感覚器が敏感になる時期
0~5歳半頃まで

感覚器をたくさん、何度も繰り返し使い、
より鋭敏にしようとする。

感覚器を思う存分使える環境と充分な時間、
感覚と言葉が結びつく体験(結びつける大人)
が必要。

感覚は知性、想像力、共感力、創造性の土台となる


(感覚器を使うのは一生続くことなので
敏感期を過ぎていても、感覚器を充分に使ったり
感覚と言葉が結びつく体験をしたりするのは
引き続き大切
ということも重ねてお伝えしておきます)



さっスーパーの記事書いてこよう~