モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

今、4月開園予定のモンテッソーリ認可保育園の準備を粛々と且つ意気揚々と進めているところなのですが、

よく考えたら、私、オープニングに関わるの3回目(笑)

で、過去2回はもれなくモメてます。しかも私の発言とか言い方が原因のときも多々ありました。

この失敗経験を含めた今までの現場経験と
シドニーツアーや大阪研修で学んだこと、感じたことを次のオープニングに活かさない手はない(笑)ので、自分なりにここでまとめておこうと思いました。


モンテッソーリに限らず、子どもの育ちに大人がより良く関わるために大切なことは、主に次の2つだと実感しています。


①子どもを軸にして話をすること
②(コースで)学んだことはあくまでも材料のひとつであって、そのとおりにしなきゃいけないというものではないこと


①「子どもを軸にする」をより具体的に、大人の立場から言い換えると

「私たち大人がやろうとしていること・やっていることから、子どもはどういうメッセージを無意識に受け取っているか」

を考えるということ。
なのだなぁと気づかされることがありました。


先日、細かいことを打ち合わせしているときに「自由画帳や絵を描く道具を、どの程度個人持ちにするのか」という話になりました。

こういう具体的な細かい、どっちでもよくない?イヤでも決めとかないと後が大変だし的な話になるとよく出てくるのが
「今までの園ではこうしてた」
「大人にとってこういう理由でこうしたい」
という意見。


今回ももれなく「前の園では紙も道具も園持ちで、その代わり教材費を月々集めていた」「個人持ちも体験したけど大人の管理が大変」「でもそれは収納スペースだけ確保できれば問題ない」「幼稚園はそもそもお道具箱で個人持ちがデフォルト」「イヤ保育園でそれやると大変なのよ…」「紙だけ個人持ちにしてはどうか」「粘土の共用が個人的には不潔だと思う」などなど、収集がつかなくなりそうな状態に。


そこに、今まで発言がしていなかったひとりの人から


「『地球上の限りある資源を皆でシェアして大切に使っていこう』ということを子どもに伝えていくなら、クラスという小さなコミュニティの中でも紙や道具を通して伝えていく=シェアする方法がいいんじゃないか」

という意見が出たのです。


全員が腑に落ちて、見事収束。


喧々諤々やっていたときは、「子ども」という主語が抜けていたんですね。それを気づかせてくれたのがこの意見。


モンテッソーリ業界あるあるで、「どこのコースで誰に学んだか」によって「私はそんな習い方はしなかった」「私のやり方と違う」と大人が対立することが
ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜本当によくあるんですが、
これだって「自分(たち大人)」が主語になっているから起きることであって、目の前の子ども(たち)を主語にすれば、そういう野暮な揉め方はしないと思うのです。
「この子にはこういうやり方が分かりやすいかな」とか「この子だったらこういうやり方でもイケるかもね」とか、子どもによって変わってもいいところも出てくる。
私たち日本人はどうしても右にならえになりがちですね。今まで受けてきた教育がそれだからものすごく深いところにまで染み込んでるんだなぁと自覚します。


そもそも平和教育のはずのモンテッソーリの界隈で内輪もめしてるってモンテッソーリさん知ったらガッカリするだろな。本末転倒も甚だしいもんな。ごめんなさい。



ちなみに、「紙(お絵かき帳)だけ個人持ち」を提案していた人は、前の園で子どもが描いた絵が誰のか分からなくなって、その管理に追われて大変だったとのこと。
でもそもそも、子どもが描いた絵を持って帰るかどうかはその子の判断だし、忘れちゃって名前描いてなくてもそれはその子の行動の結果であってその子が体験すべきことであること(失くしちゃってガッカリしたら次は描き終わったらすぐカバンにしまうかもしれない)、だから大人が躍起になって「これ誰の!?」と持ち帰らせなくてもいいことに、本人が気づいたとのこと。


気づきを与えてくれるのはいつも目の前の子どもたち(と、それを思い出させてくれる大人)。


で、もし誰のか分からないお絵描きの紙が溜まってきたら、ただ捨てるのではなくそれで折り紙をしたり、折り紙した箱に無害のボンドなどでコーティングして鉢植えのポットを作ったり、ハンドシュレッダーの活動の材料にしたり、シュレッダーした紙で紙漉き体験をしたり、と、全て子どもの活動に還元していけばムダがなくて楽しくていいね、という話にまで発展しました。あら楽しい。


子どもを主語にしたら揉め事が減るだけでなくてこんなにもワクワクした感じになるんだな〜

と実感してます。

長いので後半に続きます。