モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

Q. おうちの環境の整え方 色調について

ご質問頂いていたのに、空いてしまってすみません。


以前、おうちの環境の整え方についてご質問頂いた方から
追加でいくつかご質問を頂いてますので
ひとつずつお答えします。
(個人的に答えやすいものからにさせて頂きますね)


【ご質問】
 
モンテッソーリの相良先生の本で
子どもにはピンクがいいと書いてあった気がしたのですが
色調がシンプルなほうがいい、
ピンク単色がおすすめ、
カラフルがいいなどありますか?

“魅力的で美しく”であればなんでもいいのかもしれませんが、
“美しい”って難しいです。。



【回答】

「魅力的で美しい」って
確かにとても主観的ですね。笑

色に関しては
どの色がいいか、というのは
その人個人の好みや
地域や国の文化に左右されるところがあるので
一概にどれがいい、と言い切るのは難しいのですが


お部屋全体のトーンとしては
シンプルな淡色がいいと思います。

理由は2つ。


1. 教具、玩具が映える背景としての色
2. 子どもを過度に興奮させない


相良先生がピンク推しなのも、そのような理由ではないでしょうか。

上の2つを満たす色ならば
ベージュ、淡いクリーム色、薄い水色や緑色など
お好きな色でいいと思います。


ただ、真っ白のお部屋は
心理学的には不安を駆り立てる
とどこかで見たことがあり、
個人的にも病室を彷彿とさせるので納得しています。
(出典が曖昧でごめんなさい)


私個人的には、インテリアでは
木や籐や竹などの
自然素材のぬくもりを感じられる色が好きなので
それらの色をベースに、
季節で入れたい色(夏なら寒色系、冬なら暖色系)
を足していけるといいな〜と思っています。
(いいな〜 の時点で今現在できてないことが分かりますねw)



個人的には
色調にも関わってくる要素として
「素材選び」がとても大切だと思っています。


モンテッソーリの子どもの環境を考えるときに
「子どもサイズ」
「本物」
はよく取り上げられるのですが


それと同じくらい
「自然素材」
というキーワードがよく出てきます。


実際、今まで見たモンテッソーリの環境で
「ここ、素敵だな」と感じたところは
自然素材の使い方がとても上手でした。


子どもだけでなく、大人も気持ちが落ち着いて
地に足をつけて作業に取り組める、そんな作用がある気がしました。




自然素材は、同じ物の中にも
濃淡のムラがあって
色の出方が均等でないので、味わいがあります。



コットン、リネン、ジュート、
ウール、シルク、革、
木、籐、竹、石、陶器、ガラス、
ホーロー、ブリキ、シルバーなど


それぞれの素材に
それぞれの色味だけでなく
異なる手ざわりや温度があります。


また、使い込んでいく中に
単なる汚れや劣化ではない、
独特の味わいがでてきます。



プラスチック製品は
最初のうちはきれいでも
だんだん薄汚れたり色褪せたりして
劣化したら、もう魅力的ではなくなってしまいます。
そしてゴミになってしまいます。



最終的に
「宇宙の中の、地球上で暮らす人間」
として、
自分や自分の生まれ育った環境を大切にしながら
他人や他の国や地域の環境とどのように調和しながら生きていくか
を考え実行していく人を育てる教育でもあるので
そういった意味でも「自然素材」は大切なキーワードのようです。


(あんまりここを強調すると
 引いてしまう人もいるからなのか、
 日本ではあまり強く言いませんが
 国際コースではかなり重要視されている印象を受けました)



これだけプラスチックが溢れている今の生活で
自然素材のみで生活するのは
なかなかハードル高いですが、


・これから購入するものは、プラスチック製品でないものにする
(ジョウロやバケツをプラスチックではなくブリキのものにするなど)
・一度買ったプラスチック製品はできるだけ長く使う
・目につくところは自然素材を使い、見えない所の整理にプラスチック製品を回す


などの工夫で、
大人にも子どもにも魅力的なお部屋を作っていけるのではないかと思います。



また、モンテッソーリさんは
子どもが生まれ育つ地域や国の文化を
とても尊重しています。


日本だったら
木造家屋そのものや
障子紙、畳、すだれ、
ほうきとちりとり、雑巾なども
我が国特有の文化のものです。


今のライフスタイル自体がかなり西洋化しているので
これもまた、時代に逆行する形になるのかもしれませんが

日本の夏の高温多湿、冬の低温少湿(っていうのかな?)
に合ったものとして
畳や木が今まで使われてきたことなどを鑑みれば
理にかなっている部分もあるのだと思います。


普段の生活の中で、
ムリのない範囲で
自国の文化を伝えられるような
魅力的な環境を作っていきたいものです。




色調の話からだいぶ広がりましたが、
色調も含め、子どもを取り巻く環境を
特に6歳までの子どもたちは、丸ごと吸収して育っていくので
(感覚の敏感期や秩序感にも影響しますね)


子どもも大人も落ち着ける環境を目指して
試行錯誤していこうと思います。
(ウチの場合は、物を減らすところからかな〜…)