モンテッソーリloverのブログ

モンテッソーリ大好き教師の綴りごとです。AMI認定 国際モンテッソーリ教師0-3歳、3-6歳ディプロマ取得。

Q. 子どもが集中する環境を作れません

前回までの記事のご質問に
追加でご相談がありましたので、
合わせてお答えさせて頂きます。

前回までの記事はこちら
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【家の環境の整え方について:追記】

まず、気になる点は
1日に1回は
『パソコンで何かをみたい』ということ。
ときには朝起きてすぐです。
(我が家は狭すぎることもありテレビはありません)

これは家のなかの環境が物足りないのだろうと思い、
試行錯誤していますがしっくりこない。

『このまま私が子どもを観察を上手くできないまま、
子どもが大きくなったらどうしよう!?
集中できる、とてつもない集中をしたことがある、
これは彼らへの大きな大きなプレゼントになるはずなのに、
それができない私はなんてダメなの』
と、とてもマイナス思考になってしまいます。

ただ、深く考えなければ、
息子たちは子どもらしく愛らしい子に育ってくれており、
楽しく楽しく過ごせます。

例えば子どもの様子ですが、

上の子は週に一回か二回ほど保育園に行っており、
そこではまわりをみて行動し、
手順がわからなければ先生に質問して解決しており、
皆で遊ぶときは面白い創造的なことをするらしく、
中心になっているようです
(だれ?とママは思います。。)
家で下の子とも楽しそうに遊んでます。

下の子は尊敬するほど笑顔が多く、
大声でよく笑っており、
10ヶ月くらいから『ママ』と呼んでくれます。
今は行動に関する一通りの言葉を理解しており、
行動に移してくれます
(いやなときはプンッとそっぽ向かれます(^-^))

ママに/環境に/その他に何が足りないのか?
モンテッソーリ教室に通うべきなのか?

以下、本人の興味の高さ順にしました。
4位くらいまではその日の状況で入れ替わります。(ママの主観)

●習慣
ドア開け、洋服えらび、ジャーから麦茶を注ぐ、ごみ持ち など

●その時々(毎日どれか一つは行うこと)
掃除(トイレ、お風呂、床をコロコロ/掃除機/ホウキ/雑巾など)、
お菓子作り、
食材を切る(最近、急に興味を失いました)、
切る以外の調理、卵のからむき、玉ねぎむき、
洗濯ほし/たたみ、
配膳、食器洗い(以前にとてもきれいに仕上げてくれました) など

●遊び
外遊び(砂遊び、木の実/枝/石集め、かくれんぼ、秘密基地ごっこ、遊具遊びなどなど)、
読書(200冊以上あり、毎日読みあさってますが、次々にあれが読みたいこれが読みたいとなります。読む練習/字の練習はしたいみたい)、
ごっこ遊び、ねんど、クレヨン、えのぐ、お人形あそび、お風呂で水移しや水鉄砲、ボードゲーム、おままごと、ブロックなど

●主な課外活動
公園、児童館、図書館、自然博物館(恐竜、虫、動物、魚)、室内遊び場、音楽コンサート、美術館など

●習い事
リトミック

親の力を成長させたい
というのは気持ちとしてぶれませんが、
モンテッソーリをしなければならない』
で親子がギスギスするのは違いますよね?

追伸 環境へのご解答ありがとうございます。そちらの質問もまたさせてください。本当にありがとうございます。


【回答】

お答えすることは主に3つです。


まずはじめに、
モンテッソーリ教師の私から見ても
このお母さんはお子さんのために
ものすごく頑張っていらっしゃると思います。

まずそのことを、
自分で認めて受け入れて頂けますように
と強く思いました。


そのことに絡めて、
2番目にお話したいのは
集中現象と正常化についてです。

集中現象の話が本にはよく出てくるので
「うちの子の姿と違う…」
「うちの子にはこんな集中した姿が見られない」
とご不安になるのかと思いますが、


主に、本に書かれているのは

環境が子どもに合っていなかったため
自然な発達の道筋から逸れてしまい
問題行動が見られていたお子さんが、
環境を整えることによって集中し、

その集中によって元の道筋に導かれて
本来持つ良い姿を取り戻す

という姿です。


ということは
裏を返せば

発達に合った環境にいるお子さんは
そもそも、自然な発達の道筋から逸れることが少ないので
常にその子の持つ良い面が表にあらわれている

とも言えます。


もっと具体的に言うと
生活の中で、自分で自分のことができる環境にあり、
自分がやりたいことが自由に選べて
誰にも邪魔されずに没頭できる環境
にあるお子さんは、
そもそも自然な発達の道筋を逸れにくい
=その子の持つ良さが常に表に現れている
状態
にあります。


「自然な発達の道筋から逸れないよう、
予防している環境」
が、ご相談者様のおうちの環境なのではないでしょうか。


だからこそ、
今まで親御さんが努力されてきたことを
ご自分で認めてあげてもらいたいのです。

よく笑い、健やかに育っているお子さんの姿が
何よりもそれを物語っていると
私には感じられます。


ご家庭で一番大切にしてほしいのは

自己信頼感(自分がこの世でかけがえのない存在で、大切にする感情)
他者への尊重の気持ち
を育むこと

お子さんがのびのびとした笑顔でいる時点で、
一番大切なことはクリアしています。


そこを認めてあげて
これ以上ご自分に厳しくならないであげてほしいのです。

なぜなら
子どもの周りにいる大人は
子どもにとって最も大切な「人的環境」
でもあるからです。


大人が理想を追い求めるあまり
「まだ何か足りない、私はダメだ」
と自分で自分を否定してしまう姿を見せることは
お子さんにとって果たしていいことでしょうか。
完璧でなければならない、
という価値観を刷り込むことにもなりかねません。


「できないこともやりたくないこともあるよね~
でもそれでもいいよね~
失敗もあるよね~
でもやり直せばいいよね~
そんな私も嫌いじゃないわ~」

という、どこか能天気な
完璧主義でない、それでも前向きな姿を見てもらうというのは
お子さんにとってはむしろ救いになると思うのです。

もちろん、親御さんにとっても
このような頑張りすぎない心持ちが
日々の生活をより穏やかなものにしてくれるのは言うまでもありません。


>『モンテッソーリをしなければならない』で親子がギスギスするのは違いますよね?

これがいちばん、気をつけたいところです。
親御さんだけでなく、現場のモンテッソーリ教師も気をつけなければいけないところだと思います。

もともと、子どものためのモンテッソーリメソッドなのに
メソッドを大切にするあまり
そのメソッドにそぐわない子どもを非難したり排除したりするのは
本末転倒なのではないか
というのが私の強い思いです。


親子関係においても
モンテッソーリメソッドは
あくまでも子どもが健やかに育つためのもの
であり
メソッドにこだわって親子関係が悪くなるのは
親御さんにとっても、子どもの育ちにとっても本末転倒です。


ご相談者様は、感覚的に「それは違う」ということを
既に感じ取っていらっしゃると思います。



最後に、
それでもまだぬぐえないかもしれない
「他に何かできることはないのか」
というご不安に対しての
具体的な提案があるとするならば、


・家庭菜園 簡単なハーブ(シソやバジルなど)や野菜を育ててみる
→収穫した野菜を調理活動に使う

・生き物(虫やオタマジャクシなど)を飼い、お世話をする


生き物を育てるというのは
自然のサイクルを身近に感じられる
とてもよい機会です。

自分だけでなく、人間だけでなく
他の生命がどのように育ち、どのように役割を全うして終えるのか
その育ちが私たちの生活に
どのように関わっているのか
私たち人間が
自然の中でどのような立ち位置にいるのか

そういったことを
理屈ではなく、感覚的に
子どもの心の深いところに
根付かせてくれます。

他の命を尊重する気持ち、
思いやり、
責任感、
知的好奇心

そういったものも
生き物を育てることで
子どもの中に自然に育っていきます。

できることならば
この知的好奇心が
パソコンを見たい欲に勝つといいなという思惑もあります。


・文字を書くことについて

もし、お子さんが文字を書きたい様子でしたら
五十音と絵が描かれた文字積み木を使ったり
市販のドリル的なもので練習してみてもいいかもしれません。
(見本の文字が書いてあり、薄い文字の上を3回くらいなぞれるようになっているもの)

このとき、頭から五十音順に始めるのではなく
「し」「く」などの簡単なものや
お子さんのお名前にある文字から始めてみることをおススメします。

書くものも、最初から鉛筆を使うよりは
フェルトペンなど、筆圧が低くてもしっかり書ける物をおススメします。
(3本指でしっかり持てるようになってから始めて下さい。
 変な持ち方を覚えてしまうと、筋肉が固定されてしまいそのあと直すのが大変なので)


私の場合は、文字積み木を眺めていて
名前にある「ろ」を母親に教えてもらい
「つ」を持ってきて「これも『ろ』だね!」と私が言ったときに

「これは『つ』だね。裏を見て。つみきの『つ』
裏に書いてあるものの頭文字が書いてあるんだよ」

と教えてもらったことがきっかけで、
3日間くらいずっとその積み木を見続けて五十音を覚え、
その後自分で絵本を読んだり図鑑を見たりして
文字から活動が発展していったという記憶があります。

これも知的好奇心につながることなので
パソコンの誘惑に勝てるといいなと思っています(笑)


でも、あくまでも
子どもが楽しんでできる範囲にとどめて下さい。

言語の敏感期なので楽しくできるとは思いますが
毎日これだけやる、というノルマにはしない方が
本人のやる気が持続すると思います。


おそらく、前回までに私が提案したおうちの環境については
ご相談者様はすでにご存じのこと/していらっしゃることばかりで
目新しいことはなかったのではないかと想像しています。

ということは
既に、お子さんのための環境は
ある程度整っているとも想像できるのです。


あとは、子どもにとって大切な環境の一つでもある親御さんが
自分も子どもも楽しくできる活動は何か
というところを軸に置いて、
楽しく、手や体や頭や心を使ってできることを
日々の中で探して見て頂ければと思います。


これで最後になりますが
私が親御さんにおススメしたい本をご紹介して
このご質問のお答えの結びとさせて頂きます。


「子どもへのまなざし」佐々木正


純粋なモンテッソーリの本ではありませんが
モンテッソーリと同じ時代に生き、交流もあった
エリックエリクソンという心理学者の考え方をベースに、
児童精神科医の佐々木先生が
親御さんや保育・教育関係者に向けて講演をされた
その内容が文字起こしされたものと聞いています。

なので、モンテッソーリの考え方ともとても近く
かつとても優しい、思いやりのある文体で書かれています。
文字数は多いですが、その文体のおかげで、とても読みやすく、スッと入ってきます。

私も、園児に厳しくなりすぎたな…と感じたときに
パッと目についたところだけでも読み返すようにしています。

そのつど、素直に反省できて
穏やかに前向きに子どもと接しよう
子どもを尊重するってこういうことか
と思わせてもらえます。


どうぞこの先も
悩みすぎず、ご自分を責めすぎずに
笑顔のお子さんたちと一緒に
お母さまも楽しく過ごせますように。


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