モンテッソーリloverのブログ

モンテッソーリ大好き教師の綴りごとです。AMI認定 国際モンテッソーリ教師0-3歳、3-6歳ディプロマ取得。

Q. 集中現象って何? ②必要な環境と大人の対応

この記事のご質問のお答え、2つ目です。

montessorilover.hatenadiary.jp

前回、あんなに書いたのにまだ2つ目…我ながら、長っw


今回は、子どもが集中現象に至るのに必要な
環境&大人の対応について。
(最初、分けて書こうと思っていたのですが
 環境のことを書いていると
 どうしても大人の話も出てくるので、まとめました)



復習になりますが、
集中現象とは、

A. 自分で選んだ
B. 目的のある活動を
C. 手や身体を使って行い、
D. 繰り返し、没頭して
E. 深い満足感を持って自分で終える


この一連の流れのことだと、前回お伝えしました。


子どもに合った環境とは?
ということを大人が考えるときに、
この「5つの項目が可能になる」かどうか
をポイントにすると
考えやすくなります。


A. 子どもが自分で選べる

<環境>
・パッと見て選べる(ように並んでいる)
・いつも同じ場所にある

<大人の対応>
・子どもが選んでるときに口や手を出さない


(補足の解説)
パッと見て選べる
ということは、
まずスッキリかたづいた部屋の中に
目的が分かる道具や玩具が
目的別に分けられて、並んでいるという状態です。

(「montessori infant shelf」で画像検索↓)
www.google.com


1歳半~3歳ころまでは
ひとつの棚に6種類を目安に出しておいて
飽きたらローテーションする
というのが、園で道具を出すときに
何となく気をつけていることです。

6種類という目安は
これ以上少ないとつまらないし
多いと片づけられない
という子どもの姿から導き出された数です。



今の我が家もそうですが
おそらくこの時点で、
片づけ、断捨離も含めて
大人用の環境を大幅に見直す必要がありますw


大人は、道具の目的がもう分かっているので
たくさんの、雑然と並んだ道具の中から
目的のものだけを選ぶことができますが
(それでも定位置にないと、探してイライラしたりしますよね)

幼い子どもは、
「切る」ならはさみと紙だけ(をトレーに)、
「貼る」なら糊と紙だけ(をトレーに)
と、目的別に道具が置かれていないと
「パッと見て選ぶ」ことは難しいです。


多くのご家庭でありがちな
(私の子どもの頃もそうでした)
おもちゃ箱にすべてのおもちゃが入っている
という状態は、

選ぶ段階で部屋が散らかり
集中どころではなくなるので
あまりおススメはできませんw


棚は、低い一段棚が良く出てきますが
ご家庭でだったら、横置きにしたカラーボックスや
キャンプ用の棚でもOKです。

(ただしつかまり立ちの時期は倒れないものを使用してくださいね)

また、棚に置くだけでなく

「洗濯」なら洗面所またはお風呂場、
「干す」ならベランダの近く、
「掃除」なら廊下、
「花の水やり」ならプランターの近く

など、目的に沿った導線に
子どもの道具を置く
という方法もあります。
むしろこちらの方が、おうちでは自然ですね。

参照
everydaybeginsnew.com

(英語記事ですが、写真だけでもとても参考になります)


選んでほしくないものは
子どもの視界から取り除く
というのも、意外と大事なことです。

「さわらないで」「それはダメ」
をできるだけ言われない環境の方が
子どもの意欲がそがれません。


この「パッと見て選べる」だけでもクリアできたら
環境の50%は整ったと言えるのではないでしょうか。


B. 活動の目的がはっきりしている

<環境>
・活動に必要な道具がセットになっている


<大人の対応>
・使い方をゆっくり見せ、活動の目的を知らせる


(補足説明)

さっきとほぼ同じなんですが、
ここで「活動の目的」を強調した理由をつけたします。


例えば、トングの活動を例に挙げると、

①トングでポンポン(やおもちゃのパン)を挟んで移動する

活動は、
「トングで物をはさむ」ことそのものに興味があるうちは楽しい活動ですが
その動きができるようになると、飽きてしまいます。
そしてトングやポンポンを、他の道具やおもちゃと混ぜ始めます。


ここで、トングの本来の目的、
大人がトングを使うのはどのようなときか
を思い出してみると、


②トングで挟んだ食材を盛り付ける/調理する
 トングで挟んだパーツを貼り付けて制作活動する


などが挙げられます。

この段階にくると、
盛り付けや調理、制作そのものが活動の大きな目的となり、
トングで挟むという動きは、
目的を達成するための「手段」に変わるのです。


切った食材をトングで挟んでお皿に盛る
壺に入った梅干しやピクルスをトングで取る、

など、「トングで挟む」ことが直接の目的から、
「盛り付ける」「調理する」ための手段に変わる。


ここを気をつけていると
子どもが目的から逸れた動きをし始めた=飽きたときに
次の目的のある活動へつなげられます。



(「montessori infant tong」で検索↓)

montessori infant tong - Google 検索



この最初の小さな目的止まり
=手先の活動ばかり棚に並べているモンテッソーリ園は、
ほんとの意味ではモンテッソーリではないのよ
と、外国から来たトレーナーが嘆いていましたw
(この「モンテッソーリ≒手先の活動ばかり」
 という誤解は
 日本だけでなく欧米でも見られるそうです)




C. 子どもひとりで活動できる

<環境>
・道具が子どもの手で扱えるサイズ
・セットになっている

<大人の対応>
・子どもに使い方を見せて伝える
・見せるときはゆっくり。難しいところは特にゆっくり


前にご相談いただいた方は
道具だけ用意して、あとは子ども任せ
→でも使い方が違う…ちょっと貸して(中断・介入)
→もうやらない!わーん!

となっていたとのことだったので

まずは、大人が道具を実際に使って見せて、
それから子どもがする。
という順番を心がけてみて下さい。

ただし、3歳以下の子は
「やりたい!」
が先行して見ていられないことも多いw ので
その場合は「一緒にやる」ことを目標としてみてください。

私もここはいまだに自分の課題です。
2歳、むずかしい…でも楽しい…



で、子どもが使い方を自分なりに分かって活動し始めたら
大人は邪魔をせず、できるだけ見守ると。
ここも課題…どうしても手出したくなる…いやいやおせっかいおせっかい…


介入して止めなければいけないのは
明らかに道具の使い方が違うとき、
危ないとき。
(例:ほうきを振り回す、道具を投げる、洗濯ばさみで人の手を挟む(!)など)


「使い方が違うよね」(諭す、気づかせる)
(それでもわざと変な使い方をするなら)
「壊れちゃうね。そういう使い方をするなら使えないんだよ」
「今日はおしまいにしようね」
「これはそういう風に使うものではないんだよ」

などと、
子どもが泣いてもわめいても
止めなければいけない場合もあります。


でもこの状態って
子どもが飽きていて、次の新しい活動を求めている状態な気がするので
こちらの反省点でもあります。。。
うぅ、子どもの発達に大人が追いつかない(涙)



D. 繰り返せる/試行錯誤できる

<環境>
・壊れにくい、丈夫な道具
・失敗してもやり直せる

<大人の対応>
・失敗しても怒ったり「あ〜ぁ」と責めたりしない
・淡々と、リカバーの方法をして見せて伝える


これは、大人の対応の方が大事になってくるところ。

水をこぼしたら、つい「あぁー!」と大声をあげたり
「だから言ったのに~」的な愚痴を漏らしてしまったり

というのをグッとこらえて
できるだけ淡々と、動じない精神で(笑)

水がこぼれたくらいじゃ死なないし~
拭けばいいし~
くらいの、能天気な感じで行きましょう(笑)


実際、敏感な子どもは
「あぁー!」と言われたことを
次から二度とやらなくなることもあるので
ここはほんとに、子どもの意欲の目を摘まないよう要注意。
(と自分に言い聞かせる そればっかだな!w)


あとは、
大人と違うやり方を子どもがしていても
目的さえ合っていればあえて訂正しない
というのも大事ですね。

子どもは子どもなりに
自分のやりやすい方法を見つけようと
試行錯誤しているところなので。


この試行錯誤を邪魔しないと
集中現象に至る
確率が高い気がします。



E. 満足するまで活動できる

<大人の対応>
・途中で中断したり、
「他のもやってみたら?」などと言ったりしない
・大人の方から「すごい!」「上手!」などとほめない
 子どもが大人に求めてきたら
「長い時間やってたね~」と事実のみ伝えてそのがんばりを認めるのみ


今担当している親子クラスを見ていると
お子さんがせっかく集中しているときに
「そればっかりやってないで、こっちもどう?」
「ほらこれもあるよ~」
と勧める親御さんも少なくないです。


たぶん、
せっかくお金払ってきてるんだから
いろいろ体験してほしい!
という思いだと思うんですけど、

こちらとしては
せっかく集中しそうだったのに
もったいない!
という思いなので、


タイミングを見て(伝えられそうだったら)
なぜ集中が子どもの成長に大事か
という話をするようにしてます。
(伝えられないときもありますし
 伝わらない場合もありますが)



あと、「褒めない でも認める」
という話は以前も書きましたが

褒めることをくせにしていると
子どもの方が、それを欲しがるようになり、
「自分がやりたいから」する のではなく
「ほめられたいから」する ようになり
活動の目的が変わってきてしまいます。


子どもが自分で考えて自分で選び、自分で決めるためには
そして集中し、その中でよりよい自分を作っていくためには
ほめ言葉は邪魔になるのです。

でも「がんばった」ことだけは
認めてほしいのです。


結果ではなく、プロセスを見守ってあげる
それをほめるのではなく、認める

みたいな感じで、接していけるといいですね。
(とまた自分に言い聞かせる)



以上、
駆け足でザックリお答えしましたが
また何かわかりにくいところなどありましたら
遠慮せずバシバシ突っ込んでください。


引き続きご質問・ご相談お待ちしてます。
montessorilover.hatenadiary.jp