モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

Q. トイレラーニング オムツ併用でも大丈夫ですか?

【ご感想・その後の経過ご報告】

前回、トイレの環境について、
台が高くて踏ん張れないことや
大人のトイレに恐怖を感じているのではないかとのご指摘をいただき、
まずは踏み台を改善してみました。

パック飲料をよく飲むので、紙パック踏み台を作成してみました。
手作りで見た目はイマイチなのですが、
大人が乗ってもぐらつかない頑丈な作りにしました。
もちろんまたがったときに両足がつくようにしました。

すると、私がなにやら工作をしているのが気になったらしく、
作っている最中から台に乗りたがり、
トイレに設置した途端、
補助便座を自分で便器に乗せてまたがったのです!!

もうなんだかそれだけで感動してしまいました。

そしてやっぱり不安定な小さな台では恐怖があったのだろうと
申し訳なく思いました。

そこから1ヶ月ほどは、こちらは特になにも言わず、
娘が興味を持ったときに座ってみる。を繰り返し、
先月2歳の誕生日を迎えた頃には、
おしっこが出てしまったときには
一度トイレに行って座る、という流れができました!!

そこからは、ちょっと漏れた後にトイレまで我慢して、座って、
残った分をチョロっと出す、というような状態が続いています。
盛大にお漏らししてしまうときもあるのですが、
パンツの時は出たことを必ず教えてくれるようになりました。

そして着替えた後、濡れたパンツは汚れ物バケツに入れてくれます。
新しいパンツを自分で選ぶことも、
足さえ入れればパンツを引き上げることもできるようになりました。
本当に次々とできるようになって感激で震えました。
あの時アドバイスをもらえて本当に良かったと深く感謝しております。


【ご相談 2歳1か月】

ここからは相談です。

家でのトイレトレーニングは
おかげさまで少しずつ進んでいるのですが、
外出時や夜間は完全にオムツです。
これをパンツにする勇気が持てません。

なぜなら、
外出先のトイレはたいてい、大人用だからです。

子ども用補助便座があっても
踏み台がないところが多く、
娘はそういったトイレは
「おかあさんのトイレだったね。」
と言って嫌がります。

子ども用のトイレも、まだ少し大きく、
乳児用のトイレのあるところは
こどもの家や保育園くらいです。


夜間は、お漏らしが怖いというより
朝までぐっすり眠らせてあげたいのです…
夜中にパンツにしたら
急に泣き叫んで起きるようになってしまい、
そんなに負担になるならとオムツにしたところ、
朝までぐっすり眠ってくれたので…
まだ時機ではない、と思っていいのでしょうか。

娘は
「オムツならおしっこうんちをしても大丈夫だ」
と思っているような節があります。
例えば、パンツを喜んで履いていたのに、
お漏らしが数回続くと「オムツが良い」と言い出したり、
うんちをしたいときには、オムツを履きたがります。


パンツ自体は大好きで、
「オムツいらなかった(彼女は嫌なときこういう言い回しをします)。
 パンツにする」
ということの方が多いのですが、、、

外出先でオムツをすることで、
オムツの方が楽だと思ってしまうのではないかと不安です。

いつもトイレの話ばかりで恐縮ですが、何かアドバイスをいただけたら幸いです。




【回答】

お子様の発達【だけ】考慮すれば
ずっとパンツで過ごすのが理想的です。

ご質問にもありますように

オムツをしている方が濡れないし、服も汚れないし、
今の時期だったら寒い思いもしない
遊んでいても中断されない

という都合のよさを、
お子さん自身が感覚で分かってくる時期だからです。
(そうすると、ご質問者様が不安に感じているように
 自分でオムツを選んできたりします)


そもそも、モンテッソーリでパンツの使用をすすめているのは

「子どもが濡れたことに自分で気づいて着替える」
→「濡れる前にトイレに行く」
という排泄の自立を促すため
なので

そこにどうやったら近づけるか、
という考え方をしてみましょう。


ここからは、モンテッソーリにヒントをもらった
私個人の提案です。
モンテッソーリ的に正解かどうかは分かりませんが
目指すところと現実の間を取る形でのご提案です)


・パンツの上にオムツをはく重ね着スタイル
・オムツの、非常用トイレとしての使用


この2点を提案します。


今、オムツを限定的に使用しているのは

①外出時
②排便時
③就寝時
④おもらしが続いたあと

ということですので、それぞれの場面ごとに考えてみます。



①外出時、子どもの足がつくトイレがない場合

(デパートや施設の方が読んでいらしたら、ぜひ踏み台の設置をお願いします)


まず、パンツの上に紙おむつをはいて外出します。

こうすることで、万が一漏らしても
その被害をパンツだけにとどめることができ、
子どもも「濡れて気持ち悪い、着替えたい」
という感覚を得ることができます。


漏らす前に、子どもが
「おしっこしたい」と教えてくれたら
もちろんトイレに連れていきますが、

そこに踏み台がない場合は、

子ども用便座を置き、その上に座らせて
靴を脱がせ、

大人(自分)の両脚に、子どもの足を乗せて
大人が踏み台代わりになります。
(トイレに向かい合う形で大人が座っている状態)


「おかあさんが踏み台になるから大丈夫だよ」

ということを伝えて
安心して排泄できる環境をつくる努力を一度してみます。


それでも怖くてできなかったら
オムツを非常用トイレとして使います。

オムツだけをはいて
オムツの中に排泄してもらい
そのあとすぐ、きれいなパンツとオムツにはき替えます。


お尻がきれいな状態が気持ちいい

という感覚を、子どもに持ってもらうためです。


そして
オムツは、非常用トイレのようなもの
という認識を
子どもにも持ってもらう
ようにします。


これは

②排便のとき
④おもらしが続いた後

だけオムツにしたがる場合も有効だと予想しています。


「うんちだけオムツにしたがる」のは
排便が排尿よりも難しいから。


おしっこの方がウンチより出しやすいですし、
排泄回数が多い分、練習回数も増えるので
おしっこの排泄を先に覚えるお子さんが大半です。


きばる、ふんばるというのは、
大人が思っているより
子どもには難しいのだと思います。


それでも、
お尻がきれいな状態が気持ちいい
ということをお子さんが身体で覚える
ことで

オムツに排泄したのに、そのまま黙って過ごしている
というような、トイレラーニングの進みが後退する状態は
避けられると思います。


排泄物をぶらさげたまま過ごすというのは
よく考えたら、なかなかの汚さです。
いくら今のオムツの性能がよくて、外には漏れないとしても
オムツの中で、おしっこの雑菌を繫殖させているようなものです。


全動物界を見渡しても
そんなことをしてるのは人間くらいです^^;
(自然界で自分の排せつ物のそばにいたら
 匂いで嗅ぎつけられてやられてしまうので)


そのようなことも鑑みて、
起きているときに、一時的にオムツをしたがる場合は
「じゃあパンツとオムツと一緒にはこうね」
と誘い、

濡れる感覚を味わい、濡れたら着替える
ということだけはできるように
しておくのがベターなのではないか
というのが、私個人の考えです。



③就寝時

に関しても、オムツをはくことでお子さんが安心して眠れるのであれば
この二重履きを試す価値はあるかなと思います。


ご質問の文章からは、
オムツをはいて寝た場合でも、起きるまでおしっこは出ていないのか、
それとも起きたときにはオムツがパンパンになっているのか
わからなかったのですが

もし出ていないのなら、
安心材料として上からオムツをはく

出ているのなら、
濡れたと感じたら、起きて着替えれば大丈夫だよ
と言うことを伝え続けてサポートする
(実際、このやり方だとパンツしか濡れないので、ズボンや布団が全部濡れてイヤだ、というところは避けられます)


という感じで、
「オムツにしておけば、濡れないし安心」
ということを子どもが感じ取らないよう、
子どもが自らオムツを選ばないような環境づくりをして
様子を見ます。



この「パンツとオムツの二重履き」が
ベストアンサーかどうかは
答えている私自身も迷うところではあるのですが、

あくまでも妥協策であり、
理想と現実の間をとった案であるということを
ご理解いただければと思います。



大人の方が、
オムツはあくまでも非常用
という発想でいると
子どももそれを感じ取って

緊急時には、オムツで対応するけど
あとはパンツで過ごす
というトイレラーニングが進められるのかなと思います。




で、ここからは
もし、親御さんがイヤでなければ
のご提案なんですが、




おとながトイレで排泄する見本を
子どもに示す

というのも1つの手です。


要するに、自分がおしっこやうんちをするのを
子どもに見せるってことなんですが…





えぇーーーーーーーーーーーーーーーーーー





って感じだと思いますw

が、


この時期の
「ママ/パパがしていることを自分もしたい!」
という強い気持ちは、ほんとに侮れないので

もし大好きなお母さんやお父さんが
トイレでおしっこやうんちをしているところを一目見たなら


「私も!自分で!」


という気持ちがまた芽生えて
不安な気持ちに打ち勝つ可能性が高いのもまた事実なのです。


そして、
「人はトイレでおしっこウンチをするのが
 自然なことなんだな」
ということを無意識に吸収して
トイレでの排泄に対する抵抗心が薄れていきます。


なので、こんな突拍子もない提案をさせて頂きました。
(抵抗があったら無理にとはいいませんw)



あとは、絵本で楽しく排泄の世界を知るというのも
1つの手かなと思います。
(こっちの方が、現実的な提案ですね。笑)


今、うちの園で大人気なのは
この絵本↓です。



親御さんもお子さんも、双方が笑顔でトイレラーニングを進めていけますよう、お祈りしています。