モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

トイレトレーニングにも敏感期があるんじゃないか説

あ~~~~~もうまた空いてしまったすみません


食事の話より先に、トイレの話をします。
いわゆるトイレトレーニングってやつです。


モンテッソーリではトイレラーニングと呼んでいますが
これはトレーニング=訓練=外部からの強制 ではなく
ラーニング=自分で自発的に学ぶ という意味合いを強調したいから。

ですが、
トイレラーニングという言葉が現在の日本では一般的ではなく、
トイレトレーニングの方が伝わりやすいであろうという判断から
この記事ではあえてトレーニングの方を使います。

(っていうかぶっちゃけ呼び方とかどうでもいいんだ
意味合いさえ理解してれば と思ってる雑な人です)


で、トイレトレーニング、オムツが外れるのにも
敏感期というか、旬の時期があるよなぁ
と日々の生活の中で実感しているわけですが
子どもたちを観察した結果

1歳半~2歳半、遅くても3歳前

頃ではないか
という結論に私の中では達しております。


その理由を述べる前に
そもそもトイレで排泄ができる=排泄の自立とは
身体と心が具体的にどういう状態なのか
というのを説明しないことには
その理由すら理解できないかもしれないので

少し長くなるかもしれませんが
少しずつでもいいので
興味ある方はお読みくださいませ。


逆に、
「いや~そう言われても、現実無理だし」
とこの時点で負担に感じてしまうなら
無理に読まないでください。

あくまでも私の目で見た事実と
0-3コースで教わった知識を統合して
知りたい方に伝えたいというだけで
親御さんの負担を増やすことは本意ではないからです。




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トイレで排泄するための身体の条件は:

①括約筋が髄鞘化していること

括約筋とは、尿道・肛門の栓となる筋肉です。
髄鞘化とは(超ざっくりな説明ですが)自分で筋肉をコントロールできるようになること。
髄鞘化を説明すると(したいけど)それだけで一記事になる。しかも長文。

おしっこやうんちの栓となる筋肉を
自分の意志で閉めたり開けたりできるようになる
ということです。


これができるようになるのが、
お座りができるようになる頃。
だいたい8~9ヶ月頃でしょうか(個人差あります)

座れるようになる、ということは
頭から腰~おしりのあたりまでの筋肉が全て髄鞘化されているということ。
なのでこの括約筋も髄鞘化されています。


これに加えて


②膀胱におしっこが溜められるようになる

これは外部からはわかりにくい身体の発達ではあるのですが
保育園で1時間おきにトイレに誘っていると
「あ、出てないね」
ということが増えてきます。



①と②のコンボで

普段は括約筋を閉めていて
トイレにすわったときに括約筋を緩めて
膀胱に溜めていたおしっこを出す

というのが排泄の自立です。



で、最初からそんなスムーズにいくわけがないので

パンツが濡れたことを感じたら着替える
定期的にトイレに座ってみる
トイレでおしっこができたら一緒に喜ぶ

を繰り返して、
最終的に子どもが自分でトイレに行くようになるのが
トイレトレーニングのプロセスです。



じゃあ8ヶ月ころからパンツにすればいいじゃない!

と思った方。
そうなんです。ほんとはそれが理想です。


じゃあなんで、1歳半頃過ぎでもいいと感じているのか。


それは、

③歩けるようになる&立ち座りがスムーズになる
→「自分でトイレに行って座る」ことがよりスムーズにできるようになる

という子ども側の身体の理由と

洗濯の負担が少しでも減るようにという大人側の理由とからです。


(ここで急に大人の都合か~い

と思うかもしれませんが、
実際トイレトレーニングを始めたら、
洗濯の量も回数も激増するので
親御さんの負担半端ないのも事実です。

そして早くから始めたとしても
2歳ころまではかかるな、というのも実感としてあります。

だからおむつ卒業までの時期をできるだけ短くしたい。
分かってもらえるかなこの思い…怒られるかな…特にモンテッソーリ関係者にw)

話を子どもの身体に戻して、
8ヶ月だとまだハイハイです。
立ち座りもスムーズではないので、おまるに座るだけでも大人の手が必要になります。

でも1歳半頃にはもう、
自分で歩いてトイレに行き、おまるに座ることができるようになっています。



さらに心理的な理由として
生まれてから2歳半~3歳頃までは
無意識的な吸収の時期なので
自然と周りの人と同じことをしたがり、真似します。

トイレも、大人と一緒に入ろうとしたり
おまるに座ってみようとしたりします。
パンツをはくのも、めっちゃよろこびます。
「おにいさんパンツ!」などと言っては
笑顔ではいています。


そして無意識の時期なので
おもらしで服が濡れることを嫌がりません。

「あ、」
という感じでちょろちょろ漏らしても

「おしっこ出たね。お洋服濡れたね。着換えようね」

と声をかけると、何のためらいもなくすんなり来てくれます。
目の前で起こった事実をすんなり受け入れられるのが、無意識的吸収期。



これが2歳半~3歳過ぎるとどうなるか。


・自尊心が強くなる→今さらパンツでおもらしとか超嫌がる→自らオムツを選ぶ


0-3歳が無意識の時期なのに対して、
3-6歳は意識的な時期です。
その移行期が2歳半~3歳ころになります。

この時期は、自尊心が急に芽生えてきて、とても強くなります。
プライドや羞恥心も、急に強くなります。

この時期からトイレトレーニングを始めると
おもらししたときの反応が1歳半とは異なります。
「気持ち悪い」「恥ずかしい」「着替えるのめんどくさい」
そして自分の意志で「トイレに行かない、オムツをはく」ことを選ぶようになります。


また、この頃になると
膀胱に溜められるおしっこの量が増えるため
おもらしも盛大になってきます。
それでよけい、嫌になってしまう子どもも(大人も)います。

1歳半頃だと
おもらしの量も可愛いものなので
大人の心理的負担も、そこまでではありません。


自らオムツを選ぶ理由はほかにもあって


・オムツを身体の一部と感じてしまっている


おしゃぶりもそうなんですけど、
生まれてから3歳までずっと身につけている物を
自分の体の一部だと、脳が錯覚することがあります。

だからここでオムツをパンツに変えられると
身体の一部をもぎとられたような不安を感じる子どももいます。

こうなると、3歳過ぎても4歳近くになっても
オムツを選びがちになります。

身体の方は、もうとっくに準備ができているのに
(膀胱におしっこを溜められて、括約筋が髄鞘化されてるという準備です)

心理的には、身体の自立と逆行することになるので
その子の身体と心がアンバランスになり、
見た目にはパンツを嫌がるという行動になりやすいのです。


さらには

・オムツならずっとトイレに行かなくていい→遊びが中断されない
ことが何となく分かってくるのも2歳半~3歳頃から。

最近のオムツは性能がいいですよね。漏れない、蒸れない、臭わないの3拍子で。
オムツがどれだけパンパンでも、気にならずに平気で遊んでいられます。

これも、身体の自立と心理面が逆行しており
総合的に見ると、人格形成がアンバランスになりやすいのです。

(そして冷静に考えれば清潔面ヤバいです。。。
おしっこをぶらさげて過ごしてるんだから、いくら蒸れなくても菌は超増殖中)


他には

冬(寒くて厚着の時期)より、
春~夏~秋(薄着で過ごせる時期)に始めた方がスムーズ

というのもあります。

単純に着替えが楽、洗濯も早く乾く、という理由です。
寒いと子どもも着替えが億劫になる上に、
厚着なので実際の着替えも薄着の時期に比べて大変になります。


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今まで触れたことを総合して
マイベスト・オブ・トイレトレーニング開始時期は

1歳半~2歳半/3歳の、春~夏にかけて

ということになりました。


実際、この夏にトイレトレーニングを始めた子どもたちは
2歳前の子どもも含め、この2ヶ月でトイレでおしっこできるようになっています。


そしてその子たちの、
トイレ以外の面での自立度も上がっています。


トイレが自立すると
他の面でも自立するのは何故なんだろう…




というわけで、
夏が終わってこの記事を書き上げたあたり
自分でもなんてタイミングが悪い!と感じていますが

今もトイレラーニング中の子どもたちはいるので
その経過もまたお伝えできればと思います。



<補足>
3歳過ぎてからパンツにしたお子さんも、今までたくさん見てきました。
そして数ヶ月でオムツが取れているのも事実です。
なので、敏感期終わっちゃったよ!と嘆かないで頂ければ幸いです。
何度も言いますが、親御さんを責めたり、親御さんの心理的負担を増やすことは本意ではありません。

それでもお伝えしたいのは
排泄の自立を身体が望んでいるときに
タイミングよく自立することができると
排泄以外の部分でも急激に自立する、
この効果を無視できないからです。

そしてトータルでかかるおむつ代を考えても、
なかなかバカにならないのも事実です。

ただ、トイレトレーニングを始めたら
漏らしても怒らない、増える洗濯を覚悟する
等の大人の心づもりも大きいので

本当に納得して、「よしやろう!」という気になったら
始めて頂けると幸いです。