モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

子どもの育つ力を信じるということ

国際モンテッソーリ教師養成コース(0-3歳)も第3期に入りました。
アラスカからいらした新しい先生をお迎えして
毎日楽しく学んでおります。
いやホント楽しい。嬉しい。


で、今回いらしたアメリカ人の先生も、第1期のイギリス人の先生も
何度も強調していることがあって、
今、私の心にとても染み入っているので
それを書きます。


3歳までの子どもに関わるとき、
私たち大人が、強く信じなければならないことがあります。

それが、子どもの吸収するはたらきの力

(「吸収するはたらき」に関する記事はこちら↓)
montessorilover.hatenadiary.jp
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最近読者になった方々(ありがとうございます!)で
過去記事読むの長いしめんどくさい方wのためにざっくり説明すると、

生まれてから3歳までの子どもは
周りの環境にある物事を
スポンジのように区別なく、無意識のうちに吸収して
自分の人格を作る材料にしています。

具体的には、
・動き(二足歩行できるようになるのは、周りに二本足で歩いている大人がいるから)
・言葉(母国語や方言を3歳までに獲得するのは、周りでその言葉を話す大人がいるから)
・文化(家族特有の癖、習慣や、子どもが属するコミュニティの文化)
などが挙げられます。

もっと具体的に言うと、
特に3歳までの子どもは、
大人が言ったことよりも、やったことをそのままそっくり真似します。

だから例えば、
「挨拶できるようになってほしい」と思うなら
「挨拶しなさい!こんにちはは?」と頭を無理やり下げさせるよりも
自分が挨拶する姿を見せる方が断然効果的です。

「ごめんねって言ってほしい」と思うなら
「ごめんねしなさい!」と怒るよりも
どういうときに、「ごめんね」を言うか、大人がして見せる方が効果的。

「片づけしてほしい」なら
「片づけなさい!」よりも
「使ったら戻そうね」と片づける姿を見せる方が効果的。


そしてここがポイントだと思うのですが、
これらのことは、
「今すぐ、この場で」できるようにならなくてもいいのです。


「この子はいつか、今見ていることを、するようになるだろう」
という長い目で子どもを見守り
子どもにしてほしいことは淡々と繰り返して見せてあげて
してほしくないことは極力しないように努力する。

これが0-3歳の子どものそばにいる大人がすべきことです。

なぜなら、私たち大人もまた
子どもに吸収される「環境」だからです。


3歳までの子どもは、とても気まぐれです。興味の対象が次々に移り変わります。
それに加えて、1歳半頃からの自我が芽生える時期は、何を言っても「イヤ!」と返されます。

それまでおっぱいを母親からもらい、身体も心もほぼ一体化していた赤ちゃんが
身体的にも心理的にも少しずつ母親から離れて
「あれ?私とママは、違う存在なの?」
ということに少しずつ気づき始めます。
それを確かめるための「イヤ!」でもあります。
(ほかにもいろいろ理由はありますが、大元はこれだと考えると納得いきます)

そしてとても自己中心的です。
自分という存在に気づいたら、その子の世界は、その子の感じることが全てです。
他の子や大人がどう感じているか、違うことを思っているなんて考えも及ばない時期です。

という気まぐれ、いやいや、自己中の3拍子がそろった時期に
(…我ながらひどい書き方だな)

「今すぐ、この場で、これをしなさい!」

と命令することが、はたして効果的なのかどうか。
答えは明らかです。


モンテッソーリ博士が世界中の子どもを鋭い観察力で見てまわって発見したのは
子どもの育つ道筋です。

子どもの育つ道筋は、生まれる前から、自然から与えられたもので
大人が子どもの内側に入って、育つ道筋の順番を変えたり、コントロールすることはできないのです。

私たち大人ができるのは、
子どもの育つ道筋をよく理解することと、
その道筋に沿った環境を準備することだけ
です。


それができないとき、
つまり子どもの発達をよく分からず、
発達に合った環境も準備できないと
子どもからの反発という形で「できてないよ」と教えてもらえます。


子どもの育つ道筋の中でも
3歳までの「無意識な吸収のはたらき」はとても特徴的です。

この力を信じられるかどうか、
「目の前の子どもが、
いつもして見せていることを吸収して、
それを材料に自分を作って
それが表れる日が必ず来る」と信じられるかどうか

がとても大切です。



これは家庭のお父さんお母さんもですが、
3-6歳のモンテッソーリ教師の資格だけを持っていて
0-3歳のクラスを受け持っている先生が
特に心がけなければいけないところだと思います。
(0-3歳の教師はまだまだ足りなくて、モンテッソーリ園でもこういう園がたくさんあります)


…私も、やっちまってたなぁ~~~~
「今、かたづけなさい!」
とか
「「ごめんねでしょ!」
とかさぁ。あぁあぁあぁ。ごめんね過去の子どもたち。私の修行が足りなかったよ。


この苦行ともいえる修行を楽にすべく
「子どもの望ましくない行動と、大人を切り離して考える」
という話もセットでしてもらえたので
次回はそれだ!!!お楽しみに!!!
(謎のテンションで終わる)