モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

人の力を活用する力 

映画「みんなの学校」の上映会と
木村泰子先生の講演会に行ってきました。
八千代市遠かった~…苦笑

もう、ほんとにほんとに素敵な映画だから
一人でも多くの人に見てほしいです!
上映会スケジュールはこちら↓
http://minna-movie.com/jyouei.php
(っていうか上映会やりたいな…ってどこで?)


講演会の中で
今回いちばん心に残ったのは

教師に必要なのは
人の力を活用する力

という一言。

これを木村先生は現場の先生に言い続けてきたとのこと。

映画の中でも
先生になって2年目、新人の先生が
クラスの子どものひとりに対して
感情的にどなってしまったときに

「そもそも、あんな怒り方をしなきゃいけないような関わり方に、どうしてなったん?」

「あんたが感情的にどなって、ほっといた子どもが
 そのあと窓から飛び降りたらどうするの?
 子どもに関わるってそういうことやで。」

「クビ。クビやで。ほんまに。
 あんな関わり方しかできないなら、
 こどものために教師になるな。」

と木村先生がかなり厳しい言葉で叱咤激励しています。

そのあと、周りの先生たちがフォローに入るのですが
木村先生も周りの先生も共通して
座親先生や新任の先生たちに伝えていたのは

ひとりで抱え込まないこと
ひとりでやろうとしないこと

もっと周りを頼っていい
周りの人を信頼していい

恥ずかしいとか、失敗を隠したいとか、
自分がうまくやりたいという気持ちは
人間だからしょうがないけど

そこの殻を打ち破って
あなたが「困った!」「できない!」ことを認めて声をあげたら
周りにいる誰かしらが、いろんなやり方でいろんな手を差し伸べてくれる
ここはそういうところ

みんなの目で、こどもひとりひとりを細やかに見ていこう
その方が、子どもにとっても大人にとっても
絶対にいい結果になるから

という大きな温かいメッセージ。



教師になりたい!子どもに関わりたい!という人は
私も含めてですが、もともと責任感が強い傾向があります。

「自分のクラスなんだから、自分で何とかしなきゃ」
「自分がこの子の役に立ちたい!」
なんてことを思いがち。

でもこの大人の「自分で!」「自分が!」が
子どもにとっては邪魔なこと、
実はけっこうあるんです。

「自分が」「自分で」という強い思いから
他の誰とも問題を共有しない。

また、自分のことは自分で!という考え方が他の人に向かうと
例えば他のクラスで問題があった時でも
「あのクラスの担任の問題でしょ、私には関係ない」
という冷たい態度になりがちです。

こういう空気があると
問題はよけい共有されず、
閉鎖的なものになります。


でも人ひとりの力なんてちっぽけなもんです。
人ひとりが解決できることなんてほんの微々たるもの。

一人で何とかしようとした結果、
問題が解決するどころか
もっと複雑になり、大きくなります。

大人ひとりの「私が!自分で!」が
子どもにとって邪魔になるというのはこういうことです。


困っている子ども、例えば学校に行けない子どもにとっては

「担任がなんとかしてくれようと孤軍奮闘してくれたけど
 学校には行けなかった」

という形よりも

「担任の先生以外にも同じ学年の先生、校長先生、養護の先生、
 先生だけじゃなくて地域の人や保護者ネットワーク、
 いろんな人がいろんな形でいろんな手を差し伸べてくれた

 そしたら、学校に行けるようになった

という結果のほうが重要だと思うのです。


「先生だって頑張ってるんだよ!」

そんな現場の声も耳にします。

その通りだと思います。
本当に忙しい中、頑張っている先生はたくさんいます。

でもそれでも、
子どもにとっていい結果にならないとき、

「頑張り方がどこか違ってるんじゃないか」

という発想を持てるかどうか。

そして

「自分ひとりの頑張りなんてちっぽけなもんだな
 だから誰かヘルプ!子どものために手伝って!」

と自分の力を過信せず、謙虚になって
自分の器の大きさを自分で認めて
問題をオープンにできるかどうか

それが
人の力を活用する力につながるんだと思うのです。

そしてその力を引き出せる
周りの温かい環境
もまた、必要だと思います。


そういえばあかねにいた頃の私も
園長先生をはじめ、いろんな先生に助けられていたな
と思い出します。

ほんと、新人なんて右も左何もわからない、
何もできなくて当たり前、
それでも3歳児の担任を持たせてくれて
(ただ単に人手不足だったということもあるけれど)

「自分で!」「自分が!」とやってしまって
案の定うまくいかなかったときに
私の自尊心が傷つかないように上手にフォローしてくれて

「ひとりでがんばらなくていい環境」
「いろんな人の目で、子どもたちひとりひとりを見る空気」は
大人はもちろん、子どもにも温かくて優しい空気だったな

と今になって感じるのです。