物の環境 自立を邪魔しないという発想
ただ今子育て真っ最中の大学の先輩が
「大人が子どもにできること、
それは邪魔しないこと」
と言っていて、
おぉ~さすが!と感じました。
何がさすがって、
その方はワイナリーのオーナーさんで
ワイン用のぶどうを栽培されているんです。
栽培でも邪魔しないことが大切なのは同じ、
と言っていて、う~ん深い。
その方も言ってましたが、
子どもを邪魔しないって、
けっこうむずかしいです。
つい先回りしてうるさく言ってしまったり、
面倒でかわりにやってあげちゃったり、
もしくは助けを求めてるのに全くきづいていなかったり。
これらの大人の行動が何を邪魔しているかというと
「その人の持つ、
育つ力、自立しようとする力」
だと思うんです。
そしてこの大人の無意識のふるまいと同じくらい
自立しようとする力を邪魔してしまうのが
「物」の環境
子どものサイズに合わない物、道具、設備
です。
例えば着替え。
からだに合わない服は、大人でも脱ぎ着しにくいもの。袖がピタピタ、頭の抜けが悪い、ストレッチが効いてないパツパツ素材など。
着替えるという動きを練習中のお子さんにとっては、なおさら。
袖から腕が抜けない、どっちが前か後ろか分かりにくい、ストレッチが効いてなくて伸びないなど、
どれかひとつでもあてはまれば、それは子どもの自分で着替えたい気持ちを邪魔する、子どもにとって不親切な服です。
さらに子どもは成長が早いので、こないだまで着られた服がもうきつい、なんてこともザラですが
このサイズアウトした服ほど、子どもの自立を邪魔するものはありません。
子どもの「自分で自分のことをしたい」気持ち、
自立の力を邪魔しないようにするには
ゆったりした、脱ぎ着しやすい洋服を
子どもの成長に合わせて(意外とここが盲点!)
常に準備しておくという陰の準備が、とてもとても大切です。
例えばトイレ。
おうちのトイレは大人仕様、
子どもは大人に抱っこしてもらわないと座れず、
座ったらお尻がはまってしまいそう。
常に「誰かに手伝ってもらわないとできない」というのは、人間にとってあまり嬉しくないことなんです。本当は自分でやり遂げたいのです。
自分でしたいお年頃の子どもには特に。
踏み台があれば自分で座れる、
補助便座があればお尻がハマらず用を足せる
など、大人の手を借りなくても子どもが自分でできるよう、物の環境を整える。
大人が陰で子どもにできる、
自立を邪魔しないことのひとつです。
例えば、飲み物を注ぐ。
2~3歳の子どもが、
大人がコップに飲み物を注ぐのを見て
「やりたい!」と言ったとき、
たいていの大人は
「いやいやいやいや、まだ無理だから、ね」
となりますが、その理由のひとつは
道具のサイズが子どもの手には大きすぎること、
重たすぎること。
1リットルの紙パックや、普段使いのピッチャーを
子どもの手にちょうどいい大きさのピッチャーに変えて、あらかじめ飲み物を少しいれておけば
それを使って子どもが自分でコップに飲み物を注ぐ練習ができます。
子どもは、生活の中の「動きを習得する」ことが、とっても嬉しいのです。幼児期は特に。
そんなときに、子どもの手やからだにちょうどいいサイズのものが準備されているということが、子どもの自立を邪魔しないことにつながります。
大人が陰でできる、物の環境の準備。
大人の役割のひとつです。
でもこれだけだと、子どもは道具の使い方が分からないまま。
この子どもと物の間を橋渡しするのが、大人のもうひとつの役割です。
というのを、次回お伝えします。
余談ですが、
「子どもサイズ」をキーワードに
お店を見てまわるの、とーっても楽しいですよ!
100均や文房具やさん、雑貨やさん巡りで
はさみ、のり、まな板、包丁、バターナイフ、トング、ほうき、ちりとり、ぞうきん、かご、などなど
子どもにぴったりのサイズのものを見つけると、
「これで何ができるかな~♪」とワクワクします。
ここで同じものを2つ買っちゃうのは職業病らしいです。笑