モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

運動会に見る子どもの発達のパワー

先月、あかねの運動会を見に行きました。そのときの感想は既に保護者ブログに書かせて頂いたのですが、それとは別にモンテッソーリ目線で感じたことを。

私はあかねで本当にたくさんのことを教わりましたが、その中でも「なるほど!」と感じたことのひとつに、運動会の競技内容の考え方、決め方があります。

土台になるのはいつも【子どもの発達段階】です。

それが分かりやすいのが1,2歳児の競技。

1歳児だったら、ちょうど【運動の敏感期】。
走る、歩く、階段の昇り降り、重いものや大きいものを持ち上げたり運んだり、
などの粗大運動が大好きで何度でも繰り返したい時。

これは友達の子どもの例ですが、自分の身体ほどの大きさのオムツ袋を一心不乱にあっちへ運び、置いたと思ったらまたこっちへ運び…を延々繰り返していました。

大人から見たら(…何してるの?何がしたいの?笑)という一連の動きは、運動の敏感期の
「自分の身体を思い通りに動かせるようになりたい!」
という内面から溢れ出るパワーによるものです。

この敏感期のパワーを活かし、運動会では、
大きい重いものを身体全体で抱えてゴールまで「運ぶ」という動きを軸に考えます。
運ぶものはその年のテーマに合わせて野菜だったり魚だったり様々。
今年はテーマ「地球の誕生」にちなんで人間のハッピーバースデーということで、大きなケーキを運んでいましたね。
身体いっぱいのケーキを、ゴールで待つお母さんの所まで一生懸命運ぶ姿は何とも言えないいとおしさでした。

2歳児もまだ粗大運動の敏感期ですが、1歳児よりもう少し複雑な動きもできるようになるので、同じ「運ぶ」でも動きに変化をつけます。

今年の例ですと、ケーキにイチゴやろうそくを挿して飾り付け、それから運んでいました。
挿し終えた時点で満足し、そのまま「できたー!」とばかりにお母さんの元へ行ってしまい、「あ、」とまた取りに戻ったお子さんもいて、これまた何とも微笑ましい光景でした。

敏感期という発達段階を土台にすることで
「やりたい!」「もう一回!」という子どもの自発的なパワーを生かして、練習の時から無理なく楽しめます。
楽しく練習を重ねることで、大勢のお客さんの前でも練習と同じようにできるようになるのですね。

(もちろん、当日は練習と違う雰囲気に驚いて泣いたり固まったり、というお子さんもいます。これもまた、貴重な経験です)

「子どもの発達段階を土台に競技内容を考える」という視点が私にとってはとても新鮮で、毎回勉強になっていたなぁ…というのを、今年の運動会を見ながら思い出していました。