モンテッソーリアン、里親になる。

10年モンテッソーリ教師をやってみて向いてないことが分かった(笑)ポンコツモンテッソーリアンの里親活動奮闘記録。

子育て・教育のキーワード ~みんな何となく無意識に目指してるところ

いきなり大きなテーマを掲げてしまい、読んで下さっている方の中にはやや引き気味の方もいらっしゃるかもしれません。何より私自身が少し動揺しているのは否めません。笑

でもまずこれをお話しないことには、これから書こうとしている内容が、単なる子育ての小手先の技みたいになってしまうので。そうじゃないんだよな~という自戒も込めて。
今だけ堅苦しいですが少しだけおつきあい頂ければ幸いです。

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モンテッソーリは世界各国の子どもたちの観察を通して【人間の発達には、ある一定の法則がある】ことを見出だした、元お医者さんの教育学者です。

例えば、生まれたばかりの赤ちゃんがハイハイして→つかまり立ち→歩くようになる という順番は誰もが共通。
時期に個人差はあれど逆はおそらくないはず。
これはもう生まれたときから人間に備わっている、発達のプログラムです。

同じように、生まれてから大人になるまでの発達のプログラムにも大きな流れがあって、大まかに4つの段階があることを示しています。(発達の4段階)
 

0~6歳:乳幼児期。
機能の自立を目指す。
生まれた環境に適応するため、周りの環境から吸収する。人間としての特徴(運動、言語など)を自分のものにし、人格の基礎をつくる。
心身ともに変化が大きい不安定な時期。

(本当は0~3歳と3~6歳はまた大きく違うのですが今は割愛)

6~12歳:児童期。
知性の自立を目指す。
身体の発達は安定し、知的好奇心が旺盛になる。
それまて家庭がベースだった活動が、友達どうしのグループ中心になる。
比較的安定した時期。

12~18歳:思春期。
情緒面の自立を目指す。
ホルモンバランスが大きく変わるのに伴い、身体の変化が大きく男女差が著しくなる。
情緒面では自意識が強くなり、異性や周りの目が気になるようになる。
大人や社会にも目が向く、と同時に理不尽なこと、不正なことに憤りを感じる。
心身ともに不安定な時期。

18~24歳:青年期。
心身ともに落ち着く。自身の決断に責任を持つ。
経済的な自立を目指す。
安定期。


さらに、ひとつ前の段階で獲られないものがあった場合、年齢的に次の段階に移ってもそれを獲得しようとします。(その場合は上にあげた発達段階にズレが生じます)

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私自身を振り返っても、この発達過程に当てはまることが多いんですよね。観察から導きだされた結果だから当たり前なのかもしれませんけど。

特に第3段階の思春期。私モンテッソーリさんに観察されてました?って感じです 苦笑。
ほんと、人の目ばかり気にしてたあの頃…でもそれが高3の終わり頃からすぅっと消えて、大学では人の目?何それな勢いで楽しみすぎたのはこういうことか、と。

乳幼児期に関しては自分の記憶がいちばん少ないので、いまいちピンと来なかった部分もありますが、そこはあかねの4年間でたっぷり納得させられました、笑。

そしてこの発達過程から殆どズレが生じなかったのは、両親を初めとする周りの人や環境に恵まれていたからです。それは本当に感謝。

で、私の話はさておき、笑。

ここで注目したいのが、全ての段階で出てくる【自立】というキーワード。

ちょっとおおざっぱな表現かもしれませんが、
人間は放っておいても自立に向かうように予めプログラムされている
ということです。時期によって自立を目指す分野は違えど。

その自立を手助けできるように環境を整えるのが、私たち大人ができること。
というのがモンテッソーリの基本的な考え方です。
この環境には物と人と2種類あります(これについてはまた別の機会に)


今回伝えたいのは、
おそらくこの【自立】が、子育てや教育の大きなキーワードなんじゃないかということです。


思えば、小さいうちはお友だちと仲よくしてほしい、優しい子に育ってほしい、何でも食べてほしい、我慢できるようになってほしい、
少し大きくなると、もっと勉強してほしい、何かひとつでも好きなことを見つけてほしい、苦手なことも克服してほしい
さらに大人に近づくと、ちゃんと働いてほしい、親にいつまでも甘えず自力で頑張ってほしい、いい人を見つけて結婚してほしい、人様に迷惑をかけず、何かしらの形で社会の一員になってほしい…

大人が子どもに願うことは人それぞれ、ご家庭によっても違うし、時期や状況によって変わりもするけれど

「幸せな人生を歩めるように自立してもらいたい」
という思いが土台にあるというのは共通なんじゃないでしょうか。


【自立】というキーワードを心のどこかに置いた上で、子どもの発達のことが分かってくると

何でこの子、こんなに泣きわめくんだろう
どうしてこんなに困らせられるの?もう嫌だ
こういう場合はどうしたらいいんだろう
今の声かけでよかったんだろうか
ダメって分かってるけどつい子どもを叩いちゃった…そもそも何でダメなの?

といった日々の目の前の悩みや迷い、葛藤から抜け出すヒントが見つかる

という経験を、モンテッソーリに出会ってから今までに数多くして
その経験がとても貴重でかけがえのないものだと感じているので、それをひとつずつここに綴っていこうと思った次第です。


ふぅ、長い…長いですね。ごめんなさいね。
仕事や子育てで疲れていても読める程度に、極力短い方が好ましいのは重々承知してはいるのですが、ほんとごめんなさい、苦笑。